2026年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のスポンサーは、大会全体を支えるグローバルスポンサー9社を頂点に、プールごとの冠、国ごとの代表チームの協賛、球場の協賛に分かれています。東京プールの冠はディップで、東京ドームの球場の協賛は12社でした。これとは別に、侍ジャパンには運営会社と結ぶ独自のスポンサー契約があり、日本航空や興和のように両方と契約する企業もあります。大会と代表チームは契約先も権利の範囲も別物として読むのが、一覧を正しく使うコツです。
大会が近づくと、取引先から「御社もWBCに協賛しているんですか」と聞かれたり、社内で「侍ジャパンを応援する広告を出そう」という声が上がったりします。ところが、球場に社名が出ていた企業が大会のスポンサーなのか、侍ジャパンのスポンサーなのかは、看板を見ただけでは分かりません。ここでは公式に発表された一覧をもとに、WBCに企業がどう関わっていたのかを区分ごとに整理します。
2026年WBCのスポンサー一覧|区分ごとの協賛企業
2026年大会のスポンサーは、権利が及ぶ範囲によっていくつかの区分に分かれています。大会を運営するWorld Baseball Classic Inc.は2026年3月4日、放送・配信、商品化、協賛を合わせて150以上のビジネスパートナーを発表し、そのうち企業の協賛は約70社だとしました。日本に関係する企業を区分ごとに並べると次のとおりです。
| 区分 | 権利の範囲 | 企業(公式の表記) | 数 |
|---|---|---|---|
| グローバルスポンサー | 大会全体 | IHI、伊藤園、日本航空、KONAMI、興和、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、ニューバランス、セイコー、TENTIAL | 9社 |
| ホスピタリティパートナー | 大会全体の観戦・旅行パッケージ | JTB、STH Group | 2社 |
| ラウンドの冠(プレゼンティングパートナー) | 各プール | 東京:ディップ/米国2会場:Capital One/サンフアン:Discover Puerto Rico | 3社 |
| 代表チームの協賛(日本) | 日本代表 | MUFG、Nippon Express | 2社 |
| 球場の協賛(東京) | 東京ドーム | Asahi、Asahi Kasei Homes、Century 21、Continental Tire、Google、K-Dash Second、Kose、Lemon-Dou、Mastercard、Samty、SCSK、Vortex | 12社 |
| ユニフォーム・帽子(日本) | 日本代表 | Mizuno | 1社 |
出典:MLB.com「World Baseball Classic partners with more than 150 brands from around the world」(2026年3月4日)、2026 World Baseball Classic Business Partners(2026年3月4日時点)をもとに Human Soar 作成。プールの冠は米国以外も含めて記載
表のうち、大会全体に関わるのはグローバルスポンサーとホスピタリティパートナーだけです。それ以外は、特定のプール、特定の代表チーム、特定の球場に権利が限られています。同じ「WBCのスポンサー」でも、どこまで名前を出せるかは区分によって大きく違います。
(参考)2026 World Baseball Classic Business Partners(2026年3月4日時点) – World Baseball Classic Inc.
グローバルスポンサーは9社でニューバランス以外は日本企業
大会全体のグローバルスポンサーとして発表されたのは、IHI、伊藤園、日本航空、KONAMI、興和、MUFG、ニューバランス、セイコー、TENTIALの9社です。米国のニューバランスを除く8社は日本に本社を置く企業で、日本での注目度の高さがそのまま協賛企業の顔ぶれに表れています。
なお、発表文と同時に公開された一覧の「Global Partner」欄には7社が載っており、KONAMIはビデオゲームの欄に入っています。ニューバランスは一覧に載っていません。社内資料で数を書くときは、どちらの資料に基づく数字なのかを添えておくと誤解を防げます。
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東京プールの冠はディップで球場の協賛は12社
2026年大会では、大会の20年の歴史で初めて、4つのプールそれぞれに冠のパートナーが付きました。東京プールの冠は人材サービスのディップで、正式名称は「2026 ワールドベースボールクラシック 東京プール presented by ディップ」です。大会名に社名を付ける契約の仕組みは冠スポンサーの解説で詳しく扱っています。
東京プールは2026年3月5日から10日まで東京ドームで10試合が行われ、主催はWorld Baseball Classic Inc.と読売新聞社でした。球場の協賛(Venue Partners)として東京の欄に載っているのは、Asahi、Google、Mastercard、Samtyなど12社です。不動産のサムティは2026年2月27日にこの東京プールとのスポンサー契約を発表し、ブランドパートナーである山本由伸投手を応援すると説明しています。
代表チームの協賛は国ごとにユニフォームとヘルメットに付く
WBCでは2006年の第1回から、代表チームのユニフォームに協賛企業のロゴが入っています。権利は、ユニフォームの袖のパッチと、打者用ヘルメット両側のデカールの2種類です。日本代表の袖パッチはMUFGでした。袖に社名を出す権利の考え方は袖スポンサーの記事で整理しています。
NIPPON EXPRESSホールディングスは2026年2月20日、侍ジャパンのチームスポンサーとして協賛し、大会期間中にヘルメットの側面と球場内にグループのブランドシンボルを掲出すると発表しました。公式一覧では「Federation Partners」の欄に、米国と日本の代表チームの協賛企業として載っています。
(参考)NXHD、WBCで侍ジャパンを協賛(2026年2月20日) – LOGISTICS TODAY
Q. WBCのスポンサーは何社ですか?
2026年大会では、大会を運営するWorld Baseball Classic Inc.が150以上のビジネスパートナーを発表し、そのうち企業の協賛は約70社でした。大会全体のグローバルスポンサーは9社です。150以上という数には放送・配信や商品化の会社も含まれるので、協賛の区分ごとに分けて見ると実態がつかめます。
侍ジャパンのスポンサー一覧|2026年10月時点の4区分

侍ジャパンのスポンサーは、WBCの大会スポンサーとは別に、侍ジャパンを運営する株式会社NPBエンタープライズと結ぶ契約です。2026年10月18日時点の公式サイトのパートナー欄は、ダイヤモンド、オフィシャルタイトル、オフィシャル、サポーティングの4区分で、合わせて13社が載っています。WBCのある年だけでなく、毎年の強化試合やアンダー世代の大会も応援の対象になる点が、大会スポンサーとの大きな違いです。
(参考)PARTNERS(2026年10月18日確認) – 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト
ダイヤモンドパートナーは日本通運・JCB・ニューバランス
最上位のダイヤモンドパートナーは日本通運、JCB、ニューバランスの3社です。ニューバランスは2026年10月7日に、オフィシャルサプライヤーとしてのダイヤモンドパートナー契約が発表されました。トップチームから社会人、U-23、大学、U-18、U-15、U-12、女子、ベースボール5まで、すべての世代の代表がニューバランス製のユニフォームを着ることになります。
2026年3月のWBCでは、日本代表のユニフォームと帽子のパートナーはミズノでした。代表のユニフォームは大会ごとではなく、侍ジャパンとの契約で決まっていることが分かります。
(参考)ニューバランスとダイヤモンドパートナー契約を締結(2026年10月7日) – 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト
オフィシャルパートナーは航空・旅行・飲料など8社
オフィシャルパートナーは、JTB、KONAMI、興和、日本航空、コカ・コーラ、TENTIAL、SUUMOカウンター、Googleの8社です。このほか、オフィシャルタイトルパートナーとしてラグザス、サポーティングパートナーとしてローソンチケットが載っています。ラグザスは、2026年11月に予定されている「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」のように、大会名に社名が入る立場です。
協賛の顔ぶれは時期によって入れ替わります。たとえば三菱UFJ銀行は2023年11月から侍ジャパンのダイヤモンドパートナーとして応援していると公表していましたが、2026年10月18日時点のパートナー欄には名前がありません。一覧を引用するときは、必ず確認した日付を添えます。
(参考)PARTNERS(2026年10月18日確認) – 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト
Q. 侍ジャパンのスポンサーになるにはどこに相談すればよいですか?
侍ジャパンを運営する株式会社NPBエンタープライズが契約の相手です。WBCの大会スポンサーとは契約先が違うため、大会の権利も欲しい場合は大会側と別に話を進めます。最新の区分と協賛企業は侍ジャパン公式サイトのパートナー欄で確認できます。
大会と侍ジャパンの両方に名前がある企業は8社

2026年3月のWBCの公式一覧と、2026年10月時点の侍ジャパンのパートナー欄を突き合わせると、日本通運(一覧ではNippon Express)、ニューバランス、JTB、KONAMI、興和、日本航空、TENTIAL、Googleの8社が両方に名前を連ねています(本記事の集計)。比べている2つの資料は時点が違うため、同じ時期に両方と契約していたことまでは示していません。それでも、大会と代表チームの契約を別々に持つ企業が多いことは読み取れます。
三菱UFJ銀行は3つの立場で関わった
三菱UFJ銀行は2026年1月19日、WBCのグローバルスポンサーに就任したと発表しました。発表によると、同行は2023年11月から侍ジャパンのダイヤモンドパートナーと、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)のグローバルスポンサーを務めており、これに大会の協賛を加えた形です。さらに大会の公式一覧では、日本代表の袖パッチを持つ代表チームの協賛企業としても載っています。
代表チーム、競技の国際団体、大会という3つの相手と別々に契約を結んでいたことになります。1つの協賛で全部の権利が手に入るわけではないことを示す例です。
(参考)2026 WORLD BASEBALL CLASSIC グローバルスポンサーに就任(2026年1月19日) – 株式会社三菱UFJ銀行
日本通運のグループは大会ごとに区分が変わった
NIPPON EXPRESSホールディングスは2022年7月29日、2023年大会のグローバルスポンサーに決まったと発表していました。2026年大会では、グローバルスポンサーではなく代表チームの協賛企業として関わっています。同じ企業でも、大会ごとに目的に合わせて区分を選び直していることが分かります。
代表チームの協賛を検討する企業にとっては、サッカー日本代表のように区分と契約期間が公表されている例と比べると、契約の組み立て方が見えやすくなります。
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Q. WBCのスポンサーと侍ジャパンのスポンサーは何が違いますか?
契約する相手と、権利が及ぶ範囲が違います。WBCのスポンサーは大会を運営するWorld Baseball Classic Inc.と契約し、大会や球場に関わる権利を得ます。侍ジャパンのスポンサーはNPBエンタープライズと契約し、WBC以外の試合も含めて代表チームを応援する立場になります。
WBCの中継は2026年にNetflixの独占配信へ移った
2026年大会は、日本では初めてNetflixが全47試合を独占でライブ配信しました。大会全体では50以上のメディアパートナーが、14の言語で173の国と地域に試合を届けています。配信の内容と視聴の実績はNetflixのスポーツ中継の記事、地上波の視聴率との比べ方はスポーツ中継の視聴率ランキングにまとめています。
協賛企業から見ると、中継の媒体が変わっても、球場の看板や代表のユニフォームに出る社名は配信の映像に映ります。中継の権利と協賛の権利は別の契約なので、自社の露出が中継のどこに出るのかを契約の前に確かめておきます。
スポンサーではない企業がWBCの時期に使える応援の表現
WBCの時期に広告を出すとき、スポンサーではない企業は大会名やロゴ、代表のユニフォーム姿の写真を使わない形にするのが基本です。権利を持たない企業が大会に便乗する広告は、アンブッシュマーケティングと呼ばれます。協賛企業は対価を払って権利を得ているため、権利を持たない企業は表現の選び方に気を配る必要があります。
大会ロゴと選手の画像は許諾を得て使われている
2026年3月4日に発表された侍ジャパンの公式グッズは、World Baseball Classic Inc.の許諾を得て、大会ロゴと選手の画像を使っていると説明されています。公式グッズでさえ許諾を取っている以上、自社の広告に大会ロゴや選手の写真をそのまま載せる場合も、権利者の許諾が前提になると考えるのが自然です。侍ジャパン公式サイトも、掲載している情報や画像の無断転載を禁じています。
登録された商標を広告に付ける行為は、商標法で「使用」にあたります。どの表現が問題になるかは個別の判断になるので、使いたい表現があれば大会側や侍ジャパンの運営会社に問い合わせ、迷うときは弁護士などの専門家に確認します。
あわせて読みたいアンブッシュマーケティングとは|スポーツ大会で企業が避ける表現›
(参考)『2026 WORLD BASEBALL CLASSIC 侍ジャパンオフィシャルグッズ』好評販売中!!(2026年3月4日) – 株式会社エンスカイ
(参考)商標法(昭和三十四年法律第百二十七号) – e-Gov法令検索
選手個人の契約と大会の協賛を組み合わせる
選手と個人契約を結んでいる企業は、その選手を自社の広告で応援できます。ただし、大会名や大会ロゴまで使えるかは別の話です。サムティは山本由伸投手とのブランドパートナー契約に加えて、東京プールのスポンサー契約を別に結んでいました。大会と結びつけた発信までしたい企業は、こうした組み合わせを検討します。
大会の権利を持たない場合でも、社内の応援イベントや、選手個人を応援する発信、自社の商品そのものを伝える広告なら、大会の権利とぶつかりにくくなります。まずは自社がどの契約を持っていて、その契約で何に名前を出せるのかを書き出すところから始めると安全です。
Q. スポンサーではない企業がWBCに合わせた広告を出してもよいですか?
大会名やロゴ、代表のユニフォーム姿の写真を使わない範囲で、自社の商品や応援の気持ちを伝える広告にとどめるのが安全です。大会ロゴや選手の画像は、公式グッズでも権利者の許諾を得て使われています。使いたい表現がある場合は、大会側や侍ジャパンの運営会社に事前に問い合わせ、判断に迷うときは弁護士などの専門家に確認します。
WBCのスポンサー一覧のまとめ
WBCに企業が関わる道は、大会、プール、代表チーム、球場、そして侍ジャパンと、契約の相手ごとに分かれています。数値と一覧の出典は本文の各セクションに記載しています。スポーツを使った販促の全体像はスポーツマーケティングの定義と事例にまとめています。
- 2026年大会の協賛は約70社で、大会全体のグローバルスポンサーは9社
- 東京プールの冠はディップで、東京ドームの球場の協賛は12社
- 侍ジャパンのスポンサーは運営会社との別契約で、2026年10月時点は4区分13社
- 日本航空や興和など8社は、大会と侍ジャパンの両方に名前がある
- スポンサーでない企業は、大会名やロゴを使わない応援の形を選び、迷ったら権利者に確認する
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