スポーツDXの事例を、クラブ・リーグ・自治体・企業の公式発表で確かめられるものに絞ると、観戦・チケット、施設、選手データ、ファン・会員、健康・地域の5分野で12件あり、その多くは通信・決済・IT・メーカーなど他業種の企業と組んで進んでいます。成果の数字まで公表しているのは一部で、楽天の完全キャッシュレス化(開幕2か月の飲食購入金額が前年比19.8%増)や、横浜市の歩数アプリを使った企業の取り組みなどに限られます。
スポーツDX(スポーツのデジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術とデータでスポーツの観戦・運営・競技の仕組みを変える取り組みです。国の定義や企業が組む形の全体像はスポーツDXの定義と企業が組む4つの形の記事にまとめています。事例ごとに「誰が・何を・どの企業と組み・どんな結果を公表したか」を見ていくと、自社がどこから関われるかを選びやすくなります。
スポーツDX事例12件の一覧|分野・実施主体・組んだ企業
12件のうち9件は、実施主体が単独ではなく、通信・決済・IT・配信などの企業(グループ会社や共同出資の会社を含む)と組んで進めた取り組みです。取り上げたのは、実施主体か組んだ企業・自治体が自社サイトのプレスリリースや公式ページで内容を公表している国内の取り組みです。
| 分野 | 取り組み | 実施主体 | 組んだ企業 | 開始 | 公表された結果・規模 |
|---|---|---|---|---|---|
| 観戦・チケット | 価格が変動する「AIチケット」 | 福岡ソフトバンクホークス | ヤフー、ダイナミックプラス | 2019年 | 1試合あたり約1,500席が対象 |
| 観戦・チケット | J1〜J3全試合のネット配信 | Jリーグ | DAZN(Perform Group) | 2017年 | 10年・約2,100億円の放映権契約 |
| 観戦・チケット | スマホでのチケット購入と入場 | B.LEAGUE | —(リーグのアプリ) | 2016年 | 購入から入場までスマホで完結 |
| 施設 | 球場・競技場の完全キャッシュレス化 | 楽天野球団、楽天ヴィッセル神戸 | 楽天グループ | 2019年 | レジ閉めが1台約30分から10分に |
| 施設 | 新球場の全店舗で非現金決済 | ファイターズ スポーツ&エンターテイメント | 三井住友カード | 2023年 | 全店舗の販売を非現金決済に |
| 施設 | スタジアム街区の通信網とアプリ | ジャパネットホールディングス | ソフトバンク | 2024年 | 年間約850万人の来場を見込む |
| 選手データ | 選手の動きを計測するトラッキング | Jリーグ | データスタジアム、Jリーグメディアプロモーション | 2015年 | J1全試合でデータを取得 |
| 選手データ | 体操のAI採点支援 | 国際体操連盟(FIG) | 富士通 | 2019年 | 2023年に全10種目へ |
| ファン・会員 | リーグ共通の会員ID | Jリーグ | — | — | 登録504万ID(2025年10月末) |
| ファン・会員 | 6球団共同の配信と協賛販売 | パ・リーグ6球団 | パシフィックリーグマーケティング | 2007年 | 6球団の共同出資で設立 |
| 健康・地域 | 歩数で抽選に参加できる健康アプリ | 横浜市 | NTTドコモビジネス、TOPPAN、オムロン ヘルスケア | — | 企業の社内表彰でも利用 |
| 健康・地域 | 健康づくりの記録でポイントがたまるアプリ | 大阪府 | — | — | 会員約43.8万人(2024年12月末) |
出典:各社・各団体・各自治体の公式発表(各セクションに記載)をもとに Human Soar 作成。開始は公表された年。「—」は公表資料に記載がないもの
分野別に見ると、観戦と施設の事例では決済・通信・価格設定の企業が技術を持ち込み、選手データの事例ではデータ分析やAIの企業が競技団体と共同で開発しています。健康・地域の2件は自治体が主体で、企業は運営の共同事業者か、社員の健康づくりの利用者として関わっています。スポーツ業界全体の課題とDXの位置づけは日本スポーツ業界の課題と15兆円市場の記事にまとめています。
国も、第3期スポーツ基本計画でスポーツ市場規模を5.5兆円から2025年までに15兆円へ広げる目標を掲げ、スポーツ界におけるDXの推進を施策の一つに位置づけています。
(参考)スポーツの成長産業化(第3期スポーツ基本計画) – スポーツ庁
Q. スポーツDXとは何ですか?
デジタル技術とデータを使って、スポーツの観戦、施設の運営、競技、ファンとの関係の仕組みを変える取り組みです。国の第3期スポーツ基本計画も、スポーツ界におけるDXの推進を施策の一つに掲げています。チケットの価格変動や完全キャッシュレスの球場、選手の動きを数値にする採点支援などが代表的な事例です。
Q. スポーツDXに関わっている企業にはどこがありますか?
公式発表で確かめられる例では、通信のソフトバンクとNTTグループ、決済の三井住友カードと楽天グループ、AIの富士通、価格変動の仕組みを提供するダイナミックプラスがあります。ダイナミックプラスには三井物産とヤフー、ぴあが出資しています。自治体の健康アプリでは、横浜市がNTTドコモビジネス、TOPPAN、オムロン ヘルスケアと共同で事業を行っています。
観戦・チケット・配信のスポーツDX事例|価格変動・全試合配信・スマホ入場
観戦の分野では、チケットの値付け、試合の届け方、入場の手続きの3か所がデジタルに置き換わっています。いずれも、需要予測・配信・アプリといった技術を持つ企業や仕組みが入ることで始まりました。
福岡ソフトバンクホークスとヤフーのAIチケット|1試合約1,500席で価格が動く
福岡ソフトバンクホークスとヤフーは2019年1月、本拠地のオープン戦から、需要と供給に応じて価格が変わる「AIチケット」を売り出すと発表しました。過去の販売実績に加え、順位や対戦成績、試合日時、席種、売れ行きなどから試合ごとの需要を機械学習で予測し、価格を動かす仕組みです。オープン戦から1シーズンを通して売るのは初めての試みで、対象は全6席種・1試合あたり約1,500席と発表されています。
仕組みを提供したダイナミックプラスは、三井物産とヤフーが2018年6月1日に設立した会社で、出資比率は三井物産62.6%、ヤフー34.0%、ぴあ3.4%です。三井物産は2017年から、ヤフーとはホークスと、ぴあとは東京ヤクルトスワローズと組んで価格変動の実証実験をしていました。価格変動の考え方と運営側の注意点はAIチケット価格変動の記事で扱っています。
(参考)福岡ソフトバンクホークス、ヤフーがリアルタイムで価格変動する「AIチケット」を2019年オープン戦より販売!(2019年1月24日) – ヤフー株式会社
(参考)三井物産とヤフーがダイナミックプライシング事業の合弁会社を設立(2018年6月4日) – ヤフー株式会社
JリーグとDAZNの放映権契約|10年約2,100億円で全試合を配信
Jリーグは2016年7月、ライブストリーミングサービス「DAZN」を提供するPerform Groupと、2017〜2026シーズンの10年間・約2,100億円の放映権契約を結びました。これにより2017シーズンから、J1・J2・J3の全試合がテレビ・PC・スマートフォンなどで生中継されることになりました。同じ日に、JリーグとDAZN、NTTグループはJ1クラブのホームスタジアムから順にWi-Fi環境などを整える「スマートスタジアム事業」の協業契約も結んでいます。
契約はその後見直され、2020年8月には期間が2017〜2028シーズンの12年間、権利料が約2,239億円に変わりました。配信事業者の側から見た事業の違いはスポーツOTT配信企業の比較で紹介しています。
(参考)JリーグとDAZNが10年間の放映権契約を締結(2016年7月20日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
(参考)JリーグとDAZNの新たな放映権契約について(2020年8月26日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
(参考)Jリーグ、DAZN、NTTグループ「スマートスタジアム事業」協業契約締結(2016年7月20日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
B.LEAGUEのスマホチケット|購入から入場までアプリで完結
B.LEAGUEは2016年7月、チケットの購入・受け取り・入場までを手持ちのスマートフォンだけで済ませられる「Bリーグスマホチケットアプリ」を公開しました。入場時はスマホの画面に直接スタンプを押す方式で、チケットの受け渡しの手間や、チケットを忘れる心配がないと説明しています。
現在は「B.LEAGUE公式アプリ」として、電子チケットのほかデジタル会員証、選手のデジタルカード、試合予想などを1つにまとめています。チケットをアプリで表示して入場すると、アプリ内の特典を受け取れる仕組みもあります。
(参考)スマホでチケット購入から入場までラクラク!Bリーグスマホチケットアプリ リリース – 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
(参考)B.LEAGUE公式アプリ – 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
スタジアムのDX事例|完全キャッシュレスと通信網は企業と組んで整える

施設の分野では、決済と通信の2つを、その事業を持つ企業が公式パートナーとして整える形が続いています。このうち成果の数字まで公表しているのは楽天の事例で、上の図はその前後を比べたものです。
楽天の2球場の完全キャッシュレス|レジ閉めが1台30分から10分に
楽天と楽天野球団、楽天ヴィッセル神戸は2019年1月、楽天生命パーク宮城とノエビアスタジアム神戸を、2019年の開幕戦から順に完全キャッシュレスにすると発表しました。チケットや飲食、グッズの支払いは原則すべて、楽天ペイ、楽天Edy、クレジットカード、デビットカードなどの電子決済になります。それまでも電子決済は導入していましたが、使える場所が限られていました。
楽天の公式ブログによると、開幕戦当日はサポート人員を20名から60名に増やし、サポートデスクを5か所、楽天Edyのチャージ機を約100台置きました。開幕から2か月(2019年5月26日時点・本拠地21試合)の飲食購入金額は前年比19.8%増、グッズ購入金額は20.1%増でした。金額はPOSを通じた販売分だけで、同じ期間に観客動員も11.2%増えているため、記事もキャッシュレス化だけによる売上増とは言えないとしています。
あわせて読みたいスマートスタジアムとは|スポーツ施設の導入例と企業の入り口›
(参考)楽天グループ、完全キャッシュレスの「スマートスタジアム構想」を発表(2019年1月10日) – 楽天グループ株式会社
(参考)【徹底検証】データで紐解く「完全キャッシュレススタジアム」 – 楽天グループ株式会社
エスコンフィールドHOKKAIDOと三井住友カード|全店舗を非現金決済に
三井住友カードは2022年12月、北海道日本ハムファイターズのオフィシャルキャッシュレスパートナーに就いたと発表しました。2023年3月開業の新球場エスコンフィールドHOKKAIDOについて、飲食物・グッズの販売店など全店舗の取引をすべて非現金決済にする方針を示しています。
発表では、飲食店や売店、ホテルに決済端末「stera terminal」「stera mobile」を置き、売り子も「stera mobile」を使うとしています。FビレッジとJR北広島駅などを結ぶ専用バスにも「stera transit」を入れ、球場の外まで決済の環境を広げる計画です。
(参考)ES CON FIELD HOKKAIDOを完全キャッシュレス化!(2022年12月6日) – 三井住友カード株式会社
長崎スタジアムシティとソフトバンク|5GとWi-Fiをアプリの土台に
ジャパネットホールディングスとソフトバンクは2022年12月、長崎スタジアムシティプロジェクトでICT(情報通信技術)の領域で連携すると発表しました。ソフトバンクがグループ会社などと5G・WAN・LAN・Wi-Fiの環境を整え、ジャパネットが計画する専用アプリでの参加型の応援、飲食のオーダー&ピックアップ、駐車場の空き状況の案内などを支えます。ソフトバンクは2024年から2028年までスタジアムの命名権も取得し、スタジアムは「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」の名称で開業しました。
人流データで警備・清掃スタッフの配置を考えることや、トイレやごみ箱にIoTセンサーを付けて清掃の頻度を決めることも検討項目に挙がっています。2024年の開業時には、スタジアムやアリーナの中にも5Gの基地局を置き、専用アプリで使える無料Wi-Fiを提供しています。街区全体では年間約850万人の来場を見込んでいます。
(参考)ジャパネットとソフトバンクが長崎スタジアムシティプロジェクトで連携(2022年12月19日) – ソフトバンク株式会社
(参考)日本初が詰まった「長崎スタジアムシティ」(2024年10月11日) – ソフトバンクニュース
Q. スポーツDXの成果は数字で公表されていますか?
公表されているのは一部の事例に限られます。楽天は2019年の完全キャッシュレス化の後、開幕から2か月の飲食購入金額が前年比19.8%増、グッズが20.1%増だったと公表しています。ただし同じ期間に観客動員も11.2%増えており、公式ブログの記事も、キャッシュレス化だけによる売上増とは言えないとしています。
選手データ・判定のスポーツDX事例|トラッキングとAI採点支援

選手の動きを数値にする事例では、競技団体がデータやAIの企業と共同で仕組みをつくり、競技力の向上やファン向けの情報、判定の支援に使っています。体操の採点支援は、2017年の開発着手から6年で全10種目に広がり、富士通はその技術を流通や医療など他の産業にも広げるとしています。
Jリーグのトラッキングシステム|2015年からJ1全試合でデータを取得
Jリーグは2015年2月、明治安田生命J1リーグの全試合に「トラッキングシステム」を導入すると発表しました。Jリーグメディアプロモーションとデータスタジアムと協力し、J1を中心にテスト運用をしたうえで実用化したものです。
取得したデータは、Jリーグ全体の競技力の向上と、公式サイトのアニメーション速報などファン・サポーター向けのコンテンツづくりの両方に使うとしています。同じデータを、強化と観戦の楽しみ方の2つに使う設計です。
(参考)2015明治安田生命J1リーグでの「トラッキングシステム」の導入を決定(2015年2月20日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
富士通と国際体操連盟の採点支援|2023年に全10種目へ
国際体操連盟(FIG)と富士通は2017年に提携し、選手の動作をセンシングして数値データにし、技の判定を支える採点支援システムを共同で開発してきました。2018年のドーハの世界選手権で技術検証をして採用が決まり、2019年10月の第49回世界体操競技選手権大会で、あん馬、つり輪、男子跳馬、女子跳馬の4種目に正式導入されました。上級審判員が採点に疑念を持ったときや選手団から申し立てがあったときに、演技の検証に使う位置づけです。
2023年9月30日から10月8日の第52回大会では全10種目に適用され、方式は3Dセンサーからカメラ映像の画像分析に置き換わりました。富士通はこの技術をもとにした動作解析の基盤「Human Motion Analytics」を、2024年4月から流通や医療などの産業に順に提供するとしています。審判の判定を支える技術の導入時の確認点はAI審判の導入前に確かめる点でまとめています。
(参考)「第49回世界体操競技選手権大会」で富士通の採点支援システムを正式導入 – 富士通株式会社
(参考)国際体操連盟、富士通のJudging Support Systemを全10種目で利用開始(2023年10月5日) – 富士通株式会社
ファン・会員のスポーツDX事例|リーグ共通IDと6球団共同の配信会社
ファン・会員の分野では、クラブごとに分かれていた会員や配信を、リーグ単位で1つにまとめる動きが目立ちます。まとめた単位が大きいほど、協賛企業にとってはリーグ全体を相手にした企画を組みやすくなります。
JリーグIDの登録者は500万超|リーグのマーケティングに活用
Jリーグは2025年10月13日、共通会員IDサービス「JリーグID」の登録者数が500万を突破したと発表しました。記念として、登録者の中から抽選で500組1,000名を2025JリーグYBCルヴァンカップ決勝に招待しています。
Jリーグの採用サイトでは、JリーグIDの数を504万ID(2025年10月末時点)とし、チケット購入やキャンペーンに使うほか、リーグのマーケティング施策の検討にも活用していると説明しています。なお、登録者の属性は実際のスタジアム来場者の属性とは異なるとも注記しています。
あわせて読みたいプロスポーツクラブのファンクラブ運営|会費・業務と企業の関わり方›
(参考)共通会員サービス「JリーグID」の登録者数が500万を突破!(2025年10月13日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
(参考)数字で見るJリーグ – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
パ・リーグ6球団のPLM|共同出資の会社で配信と協賛をまとめる
パシフィックリーグマーケティング(PLM)は、パ・リーグ6球団の運営会社が株主となり、2007年5月14日に設立された会社です(資本金3,000万円)。「6球団でやったらいいこと」と「1球団ではできないこと」に絞って事業をしていると説明しています。
事業の中心は、パ・リーグ主催の公式戦をライブ配信する「パーソル パ・リーグTV」で、2012年以降の主催試合のアーカイブ視聴にも対応しています。あわせて6球団主催試合の国内配信権・海外放映権の販売、リーグスポンサーの企画・販売、2,000試合以上の配信実績を生かした他競技のライブ配信の支援も手がけています。
(参考)会社概要 – パシフィックリーグマーケティング株式会社
(参考)事業内容 – パシフィックリーグマーケティング株式会社
健康・地域のスポーツDX事例|自治体の歩数アプリを企業の健康施策に使う
健康・地域の分野では、自治体が歩数などを記録するアプリを用意しています。横浜市では、市内の企業がそれを社員の健康づくりに使った例も公表されています。自社でアプリを作らなくても、地域の仕組みを使って社内の運動施策を始められる点が企業にとっての使いどころです。
よこはまウォーキングポイント|市と3社の共同事業を社内表彰に活用
よこはまウォーキングポイントは、18歳以上の横浜市在住・在勤・在学の人が対象の事業で、歩数に応じてたまるポイントで商品券などの抽選に参加できます。横浜市とNTTドコモビジネス、TOPPAN、オムロン ヘルスケアの共同事業として運営されています。3か月に720ポイント(1日平均8,000歩相当)を達成した人を対象にした追加の抽選もあります。市は参加者のデータで事業を検証しており、60歳代で3年続けて参加した人は、未登録の人に比べて高血圧の新規発症者が相対的に12.3%少なかったとしています。
市内の企業の使い方も公表されています。従業員6,000名のパナソニック オートモーティブシステムズは、通用口前のデジタルサイネージで参加方法を知らせ、社内掲示板で毎月のランキングを公表し、月間・年間の歩数で表彰しました。その結果、利用者は2022年12月の139人から2023年11月の156人に増えています。従業員10名の株式会社リアルは、月間歩数や健康診断の受診などに応じて健康ポイントを付け、1ポイント=100円に換算して社員に支給しています。
あわせて読みたい施策は9割、参加は4割|人事の運動12年データ›
(参考)よこはまウォーキングポイントとは – 横浜市健康福祉局
(参考)「ENJOY WALKING 2025」キャンペーンを実施します!(令和7年8月28日) – 横浜市健康福祉局
(参考)よこはまウォーキングポイントを活用した事業所・団体の取組(2023年) – 横浜市健康福祉局
大阪府のアスマイル|会員は約43.8万人
大阪府の「おおさか健活マイレージ アスマイル」は、18歳以上の府民が無料で使えるスマートフォンアプリです。歩く、朝食をとるといった健康づくりの活動を記録するとポイントがたまり、毎週・毎月の抽選に参加できます。
府の資料では、会員は2024年12月31日時点で約43.8万人、目標は令和7年度末に70万人(うち国保会員約14万人)でした。アプリは2027年2月中旬に新しいアプリへ切り替わると案内されています。
(参考)おおさか健活マイレージ アスマイルについて – 大阪府
(参考)健康アプリ「アスマイル」の取組み(令和7年3月) – 大阪府健康医療部健康推進室
スポーツDX事例から選ぶ企業の関わり方|自社の持ち物で引く判断表
スポーツDXへの関わり方は、自社がすでに持っている技術・サービス・社員のどれを出すかで決まります。12件の事例を「企業が何を出したか」で並べ直すと、次のように整理できます。右端の列は、提案や導入の前に確かめておきたい点です。
| 自社の持ち物 | 関わり方 | 近い事例 | 先に確かめること |
|---|---|---|---|
| 通信網・ネットワーク設備 | 施設の通信を整え、命名権と組み合わせる | 長崎スタジアムシティとソフトバンク、JリーグとNTTグループ | 整備と運用の費用をどちらが持つか、命名権の期間 |
| 決済サービス | 公式キャッシュレスパートナーとして全店に端末を置く | エスコンフィールドと三井住友カード、楽天の2球場 | 現金しか持たない来場者への案内の体制 |
| 需要予測・価格設定の技術 | 価格変動の仕組みをチケット販売に組み込む | ホークスとダイナミックプラス | 価格が動く幅と、購入者への説明の仕方 |
| 映像解析・AI | 競技団体と共同開発し、ほかの産業へ広げる | 富士通と国際体操連盟 | 選手の肖像・映像・フィジカルデータの権利の扱い |
| 配信・メディア事業 | 長期の放映権契約で全試合を届ける | JリーグとDAZN | 契約期間と金額が見直される場合の条件 |
| 協賛・販促の予算 | リーグ共通の会員IDやリーグ単位の協賛と組む | JリーグID、PLMのリーグスポンサー | 会員データを自社が受け取れるか、使える範囲 |
| 社員と健康施策 | 自治体の歩数アプリを社内表彰や健康ポイントに使う | よこはまウォーキングポイントを使う事業所 | 歩数データを会社が見る範囲と本人の同意 |
出典:各事例の公式発表(各セクションに記載)、スポーツ庁「スポーツコンテンツ・データビジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会」をもとに Human Soar 作成
技術やサービスを持つ企業は、施設や競技団体の「公式パートナー」になり、自社の製品をそのまま納める形が多くなっています。一方、技術を持たない企業でも、リーグ単位の協賛や自治体の健康アプリを使えば、社員や顧客に向けた施策としてスポーツDXの仕組みに参加できます。
データを使う関わり方では、権利の扱いを最初に決めておく必要があります。スポーツ庁が経済産業省と立ち上げた研究会も、選手の肖像権、スポーツ映像の著作権、フィジカルデータやスタッツデータの権利の整理を検討事項にしていました。国の支援制度から入る方法は中小企業のスポーツDX導入事例で紹介しています。
(参考)スポーツコンテンツ・データビジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会 – スポーツ庁
Q. スポーツDXレポートとは何ですか?
スポーツ庁が経済産業省と連携して立ち上げた「スポーツコンテンツ・データビジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会」の報告書です。スポーツ庁のページには2022年度の資料として概要版とマスター版が載っています。研究会は、国内外のスポーツのコンテンツやデータを使ったビジネスの現状と、選手の肖像権や映像の著作権、フィジカルデータなどの権利の整理を検討事項にしていました。
スポーツDX事例のまとめ
スポーツDXの事例を、分野と組んだ企業の観点で振り返ります。
- 公式発表で確かめられる事例は、観戦・チケット、施設、選手データ、ファン・会員、健康・地域の5分野で12件あり、多くは他業種の企業と組んで進んでいる
- 観戦と施設では、価格変動・配信・決済・通信の企業が公式パートナーとして仕組みを持ち込んでいる
- 選手データでは、Jリーグのトラッキング(2015年)や富士通の採点支援(2023年に全10種目)のように、競技団体とデータ・AI企業の共同開発が続いている
- 成果の数字まで公表した事例は一部で、楽天の完全キャッシュレス化や横浜市の歩数アプリを使った企業の取り組みなどに限られる
- 自社の関わり方は、技術・サービス・協賛予算・社員のどれを出すかで選び、データを使う場合は権利の扱いを先に決める


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