試合がない。チームにも合流できない。それでも再開の日はいつ来るか分からない。こうした状況で体をどう保つかは、競技を問わず現場の悩みです。ネイマールのトレーニングは、その一つの答えになります。
公開されている内容をたどると、基本の形は1日2部です。2016年の五輪前は午前と午後に1〜1.5時間ずつ合計2〜3時間、2020年の自主調整期間はジムの筋力トレーニングに砂場とフットバレーを組み合わせました。一方で、腹筋や体幹の種目と回数まで本人や担当者が明かした情報は確認できません。分かる範囲を、専属トレーナーのリカルド・ロサ氏の発言を中心に整理します。
ネイマールのトレーニングメニュー|2016年と2020年の中身
ネイマールのトレーニングメニューで具体的に確認できるのは、2016年の五輪前と2020年の中断期間です。3つの時点を並べると、時間の使い方と場所の工夫が見えてきます。
| 時点 | 目的 | 確認できる内容 | 数字 |
|---|---|---|---|
| 2016年7月(五輪前) | 大会に向けた仕上げ | ほぼ毎日の2部練習 | 1日2〜3時間・体重70.5kg |
| 2020年4〜5月(中断中) | 再開への備え | ジム、砂場、フットバレー | 朝と夕方の2回 |
| 2020年6月(復帰前) | チーム合流への準備 | リオ郊外の別荘での調整 | 約3か月間 |
出典:LANCE!(2016年7月24日)、Goal.com(2020年5月16日)、Sports Graphic Number Web(2020年6月27日)をもとに本記事で作成
2016年の五輪前は1日2〜3時間の2部練習
ロサ氏はLANCE!の2016年7月24日の記事で、休暇の最後の2週間について「ほぼ毎日2部練習を行い、1日に2〜3時間近くになりました」と語っています(ポルトガル語の発言を本記事で訳出)。内訳は午前と午後に各1〜1.5時間です。
同じ記事によると、当時の体重は70.5kgで、バルセロナの公式サイトの数字より2.5kg多く、2012年のロンドン五輪から筋肉が3kg増えていました。ロサ氏は「ネイマールは今、より強くなっています」と話しています。
(参考)Personal diz que Neymar está mais forte(2016年7月24日) – LANCE!
2020年の中断中はジムと砂場を組み合わせた
欧州の試合が止まった2020年、ネイマールはブラジルで調整を続けました。本人は「トレーニングはむしろ今まで以上にハードです。試合がない分を補うために活動を増やしています」と語っています(英語の発言を本記事で訳出)。
ロサ氏は「ジムでネイマールの筋力に取り組み、砂場でのトレーニングやフットバレーで変化をつけています」と説明しました(同じく本記事で訳出)。練習は午前と夕方に分けて組んでいたそうです。
(参考)Neymar training even harder despite Ligue 1 season cancellation(掲載日の記載なし) – beIN SPORTS
(参考)Neymar: I’m training hard to come back strong for PSG(2020年5月16日) – Goal.com
2020年6月の復帰前は3か月の調整を終えて合流した
Sports Graphic Number Webの2020年6月27日のコラムによると、ネイマールは6月中旬にフランスへ戻り、22日からチーム練習に合流しました。本人の言葉として「この3カ月間、理想的な練習ができた」と紹介されています。
チームを離れていた期間を「遅れ」にしなかったことが読み取れます。ただし、これを可能にしたのは自宅の設備と専属トレーナーの存在です。同じ環境をそろえられない場合は、続ける仕組みの部分だけを参考にするのが現実的です。
(参考)ネイマールの自主調整に関するコラム(2020年6月27日) – Sports Graphic Number Web
Q. ネイマールは1日に何時間トレーニングしていましたか?
2016年の五輪前は、1日2〜3時間でした。ロサ氏によると午前と午後に各1〜1.5時間の2部制で、ほぼ毎日行っていました。これは当時の大会前の時期の数字で、年間を通した練習時間ではありません。
1日の組み立ては午前と午後の2部に分ける

ネイマールのトレーニングは、どちらの時期も1日を2回に分けています。長時間を一度にこなすより、間に休息を挟める形です。図は、公開されている2つの時期の流れを並べたものです。
Gazeta Esportivaの2020年4月22日の記事は、朝食、1回目の練習、休息、遊びの要素を含む活動という流れを伝えています。ロサ氏は「できる限りトレーニングの種類を変えなければなりません」と語っており(本記事で訳出)、同じ内容を繰り返さないことを大切にしていました。
スピードを伸ばす別の考え方は、ムバッペのスピードトレーニングでも紹介しています。
(参考)Neymar e Lucas Lima treinam juntos na quarentena(2020年4月22日) – Gazeta Esportiva
ネイマールの自主調整は3つのくくりで回した

ネイマールの2020年の自主調整は、ロサ氏の説明を本記事で整理すると3つのくくりに分けられます。筋力、変化をつける砂場、体を守る土台です。
筋力はジムで鍛えて負荷を管理する
中心はジムでの筋力トレーニングです。ロサ氏はGazeta Esportivaの記事で「トレーニング負荷と食事を管理することで、その重圧を和らげようとしています」と話しています(本記事で訳出)。
2016年の取材では「除脂肪量が増えれば、体脂肪率は上がりません」とも語っており、体重の増加より中身を重視していたことが分かります。大型FWの筋トレの組み立てと比べて読むと、体格による違いも見えてきます。
(参考)Neymar e Lucas Lima treinam juntos na quarentena(2020年4月22日) – Gazeta Esportiva
砂場とフットバレーで変化をつける
ロサ氏が筋力トレーニングと交互に挙げたのが、砂場でのトレーニングとフットバレーです。サッカーの動きに近い形で変化をつけられ、単調になりにくいメニューと言えます。
本人は「もちろん試合が恋しいですが、リカが計画を立ててくれて、それをきちんと守っています」と語っています(本記事で訳出)。楽しさのある練習を混ぜながら、計画そのものからは外れないという姿勢です。
(参考)Neymar: I’m training hard to come back strong for PSG(2020年5月16日) – Goal.com
(参考)Neymar training even harder despite Ligue 1 season cancellation(掲載日の記載なし) – beIN SPORTS
ケガ予防と心肺機能を土台にする
ロサ氏は、ケガの予防と心肺機能のトレーニングも行っていると説明しました。試合がいつ再開するか分からないなか、いつでもフランスへ戻れる状態を保つことが目的でした。
見た目の筋肉だけではない部分を組み込んでいる点は参考になります。体全体の整え方は、一流アスリートのコンディショニング完全ガイドでも解説しています。
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(参考)Neymar: I’m training hard to come back strong for PSG(2020年5月16日) – Goal.com
ネイマールの体幹と腹筋トレーニングは筋力の枠組みから考える
ネイマールの体幹と腹筋について確認できるのは、筋力強化の枠組みまでです。専用の種目や回数を本人や担当者が公表した記事は、今回の調査では見つかっていません。ネット上に回数まで書かれたメニューがあっても、出典を確かめてから参考にしてください。
手がかりになるのは、サッカーキングが2016年7月に伝えた内容です。スペイン紙の報道として、1対1での爆発力を高めるために筋肉を増やすトレーニングに取り組み、体重が2.5kg増えたとしています。ロサ氏も「私たちはネイマールの大きさを気にしているのではなく、より俊敏になることを求めています」と語りました(本記事で訳出)。
つまり、腹筋を割ることそのものより、俊敏さを落とさずに強くすることが目的だと読めます。体幹トレーニングの具体的な組み立てを知りたいときは、二刀流を支える体幹トレーニングの記事のように、本人の発言で中身を確かめられる例を参考にするとよいでしょう。
(参考)ネイマールの体づくりに関する報道(2016年7月26日) – サッカーキング
(参考)Personal diz que Neymar está mais forte(2016年7月24日) – LANCE!
Q. ネイマールの腹筋や体幹のメニューは公開されていますか?
種目や回数まで本人や担当者が公開した記事は、今回の調査では確認できていません。確認できるのは、ジムで筋力に取り組み、俊敏さを重視しているという方針までです。回数まで書かれたメニューを見つけたら、出典を確かめてから参考にしてください。
ネイマールのトレーニングから現場で試したい2つのこと
ネイマールの方法で取り入れやすいのは、設備より組み立て方です。特に次の2つは、チームから離れて自主調整をする場面や、出張の多い社員の運動習慣にも応用できます。
時間を2回に分けて続ける
まとまった時間が取れない日は、朝と夕方に短く分けるところから始めます。ネイマールの2部制は高い負荷を前提にしていますが、分けて組むという考え方は短時間の運動にも使えます。
場所を変えて飽きを防ぐ
砂場の代わりに、公園や階段を使っても変化はつけられます。長い中断期間ほど、同じ内容の繰り返しで気持ちが切れやすいものです。痛みや持病がある場合は、医師やトレーナーに相談してから取り組んでください。
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Q. ネイマールのような砂場トレーニングは一般の人でもできますか?
砂場がなくても、公園や階段など場所を変える工夫なら取り入れられます。大切なのは種目を写すことではなく、続けやすいよう変化をつけることです。足首やひざに痛みがある場合は、専門家に相談してから始めてください。
ネイマールのトレーニングのまとめ
ネイマールのトレーニングで押さえたい点は次の5つです。
- 2016年の五輪前は、ほぼ毎日の2部練習で1日2〜3時間だった
- 2016年当時の体重は70.5kgで、ロンドン五輪から筋肉が3kg増えていた
- 2020年の中断中は、ジムの筋力トレーニングに砂場とフットバレーを組み合わせた
- ケガの予防と心肺機能のトレーニングも土台として組み込んでいた
- 腹筋や体幹の種目と回数は公表が確認できないので、出典を確かめてから参考にする
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