ダルビッシュの筋トレ|本人発言で追うウエイト観の変化

ダルビッシュの筋トレ|本人発言で追うウエイト観の変化 スポーツアスリート

ダルビッシュ有は筋トレをやめたのではなく、2014年に「重いウエイトを少ない回数で」から「軽いウエイトを多い回数で」へ設計を変えました。本人は2012年に「日米の体格差はトレーニングの内容の違いだ」と語り、一貫してウエイトを重視してきた投手です。この記事では、本人発言と報道で確認できる範囲で、筋トレ観の変化、やめたという噂の実像、公表されているメニューの範囲を整理します。

思考法の全体はダルビッシュ有の科学的アプローチ、食事面はダルビッシュの食事で扱っています。

ダルビッシュの筋トレ観|2012年「トレーニングの内容が違うだけ」

ダルビッシュの筋トレ観が最もはっきり出たのは、2012年7月13日付のNumber Webです。MLBオールスターの会見で、日米の体格差について語った内容が紹介されています。

本人は「身体が最初から違うわけじゃなくて、そもそもトレーニングの内容が違うからでかいだけ。」「日本人は単純にトレーニングをしないから。」と述べたとされています。筋肉がつくと体が重くなる、動きが悪くなると言う人に対しては、「訳の分からないことを言う人がいる」と批判しました。

2016年1月30日の本人の投稿をまとめたTogetterには、「世に出回っている「身体を使いこなすためのトレーニング」って正直ほとんど効果ないと思っています。」「なので身体を強くするしかないです。」とあります(Xの原投稿は未確認で、まとめサイト経由の確認です)。2012年から2016年まで、体を強くする方向の考えが続いていることが分かります。

(参考)Number Web「ダルビッシュの発言で考えた――。」(2012年7月13日、1ページ目)

(参考)Togetter(2016年1月30日の投稿のまとめ)

ダルビッシュの筋トレの始まり|18歳で開始して球速が上がった

ダルビッシュが筋トレを始めたのは2005年、日本ハム入団の18歳のときで、チームトレーナーの勧めがきっかけでした。FITNESS LOVEに転載されたIRONMAN 2022年3月号の記事によると、開始前に最速148km/hだった球速が、約3か月後の日本シリーズで153km/hになりました。

本人は当時を「急に球が速くなったんです。」と振り返っています。ただし、始めた当初は「言われたことをただやっているだけ」という状態で、1〜2年は体重もあまり変わらなかったとされます。掲載されているのは記事の途中までなので、続きの具体的な種目は確認できません。

(参考)FITNESS LOVE(IRONMAN 2022年3月号の転載・2022年2月12日)

ダルビッシュは筋トレをやめた?|やめたのは重い低回数の設計

ダルビッシュのウエイトの設計変更(2014年、重い低回数から軽い高回数へ)

ダルビッシュ本人が筋トレをやめた、という発言や報道は確認できませんでした。確認できる変化は、2014年にウエイトの設計を変えたことです。

Sportivaの2014年3月5日付の記事は、シーズン終盤の腰の負担を減らすため、オフから「重いウエイトを少ない反復で」やめ、「軽いウエイトを多い反復で」に変えたと書いています(記者の記述)。本人は「体重は1キロくらいしか変わっていないと思います」「ボヤッとしていた筋肉を、より引き締まった状態」と話しています。ストレングスコーチのホゼ・バスケス氏も、体重を含め体力の数値は変わっていないと述べています。

なお、「ダルビッシュ 筋トレ やめた」で検索すると、楽天の涌井秀章投手がウエートをやめた話も出てきます。Number Webの2020年11月7日付の記事で、ダルビッシュはウエートを積極的に取り入れる投手として対比されています。

(参考)Sportiva「進化し続ける肉体と野球脳。3年目のダルビッシュ有が凄い!」(2014年3月5日、2ページ目)

(参考)Number Web(2020年11月7日)

Q. ダルビッシュは筋トレをやめたのですか?

やめたという本人発言や報道は確認できません。2014年にシーズン終盤の腰の負担を減らすため、重いウエイトを少ない回数で行う設計から、軽いウエイトを多い回数で行う設計へ変えたと報じられています。

ダルビッシュの筋トレメニュー|公表されている範囲と一般の目安

ダルビッシュの筋トレメニューのうち、種目・重量・頻度を本人発言として信頼できる媒体が報じたものは確認できませんでした。分かる範囲を時期別に整理すると、次のとおりです。

時期 筋トレの内容・考え方 数値 根拠の種類
2005年(18歳) チームトレーナーの勧めで開始。当初は言われたことをこなす段階 最速148km/h→153km/h(約3か月後) 雑誌記事の掲載部分
2012年 日米の体格差はトレーニング内容の違いと発言 — 本人発言(Number Web)
2014年 重い低回数から軽い高回数へ。腰の負担を減らす 体重の変化は約1kg 本人発言・記者の記述(Sportiva)
2016年 手術後に体づくりを進め、体重が増えたと報道 101kg→107kg 編集部の記述(Number)

出典:Number Web(2012年7月13日)、Sportiva(2014年3月5日)、Number 897号(2016年3月3日)、FITNESS LOVE(2022年2月12日)をもとに、時期別に筆者が整理。

一般の人が頻度の基準として使えるのは、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」です。成人向けに筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。ダルビッシュのメニューの代わりに、まずこの目安を自分の予定に入れるのが現実的です。

(参考)厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(成人版)

Q. ダルビッシュの筋トレメニューは公表されていますか?

種目・重量・頻度を本人発言として報じた信頼できる記事は確認できませんでした。分かるのは、2014年に重い低回数から軽い高回数へ変えたことや、2012年の筋トレ観などです。

ダルビッシュの筋トレと体づくり|手術後に体重が増えた

ダルビッシュの筋トレの時期別の変化(2005年開始から2016年の体づくりまで)

ダルビッシュの体づくりは、2005年の開始から2016年の手術後まで、段階を踏んで変わってきました。図は、本文で根拠を示した4つの節目を並べたものです。

2015年3月に右肘のじん帯再建手術を受けた後、Numberの2016年3月3日号は、体重が101kgから107kgに増え、手持ちの服が合わなくなったと書いています(編集部の記述で、本人発言ではありません)。投げられない期間にウエイトで体を作った時期にあたります。

2020年のPRESIDENT Onlineは、ダルビッシュが主にウエイトで「投げるカラダ」を作ってきた傾向がMLB入団後に強まったと書きました。これは筆者の見解で、本人の直接引用ではありません。

(参考)Number Web(2016年3月3日)

(参考)PRESIDENT Online(2020年5月13日、2ページ目)

Q. ダルビッシュの体重はどのくらい増えましたか?

Numberの2016年3月号は、手術後に体重が101kgから107kgに増えたと書いています。2014年の本人発言では、重量設計を変えた時期の体重の変化は約1kgでした。

ダルビッシュの筋トレから取り入れる法|設計を見直す視点

ダルビッシュの筋トレから学べるのは、種目名ではなく「設計を目的に合わせて変える」姿勢です。2014年は腰の負担を減らすために重量と回数の組み合わせを入れ替えています。

取り入れるなら、次の3点を確認します。週2〜3日という厚生労働省の頻度の目安に合うか、痛みや疲労が出る部位はどこか、重量を上げる目的か体を引き締める目的か。この順で自分の設計を点検すると、無理のない見直しになります。

回復面はコンディショニング完全ガイドにまとめています。

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ダルビッシュの筋トレのまとめ

確認できた事実の要点は次のとおりです。

  • 2012年に「体格差はトレーニング内容の違い」と発言し、体を強くする方向の考えが続いています。
  • 筋トレを始めたのは2005年の18歳で、約3か月後に球速が148km/hから153km/hになったとされます。
  • 筋トレをやめたという報道は確認できず、2014年に重い低回数から軽い高回数へ設計を変えました。
  • 種目・重量・頻度の本人発言は確認できず、一般の頻度の目安は厚生労働省の週2〜3日です。
  • 2016年は手術後の体づくりで体重が101kgから107kgに増えたと報じられています。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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