アダプテッドスポーツとは|10種目の例と企業の社内行事での使い方

アダプテッドスポーツとは|10種目の例と企業の社内行事での使い方 スポーツ教育

アダプテッドスポーツは、障害の有無や年齢、体力に合わせてルールや用具を変え、だれもが参加できるようにしたスポーツと、その考え方のことです。人がルールに合わせるのではなく、ルールのほうを人に合わせる点が特徴で、ボッチャやシッティングバレーボールのようなパラリンピックの種目から、卓球バレーやふうせんバレーボールのように障害のある人とない人が一緒にできる種目まで含まれます。ここでは10種目が何をどう変えたのかを整理し、社内のスポーツ交流や研修に取り入れる手順、障害者雇用との関係、パラスポーツ支援の始め方までを解説します。

毎年の社内運動会やフットサル大会に、車いすを使う社員や視覚に障害のある社員が加わることになった。「見学でいいです」と言われたけれど、本当にそれでいいのか分からない。そんなとき、種目そのものを変えるという選択肢があります。

  1. アダプテッドスポーツとは|ルールや用具を人に合わせて変えるスポーツ
    1. 障害者スポーツやパラスポーツとの違い|指すものは重なり合う
    2. 高齢者や子どもも対象になる|年齢や性別に関わらず参加できる
  2. アダプテッドスポーツの例と種類|種目ごとに何を変えたかで見る
    1. パラリンピックの種目で見る変え方
    2. 障害の有無を問わず一緒にできる種目
  3. アダプテッドスポーツの特徴|変える対象はルール・用具・場所・関わり方の4つ
    1. ルール|人数や回数や得点のしかたを変える
    2. 用具|特別なものより今ある物の転用から考える
    3. 場所|座ってできる広さと高さにする
    4. 関わり方|役割を分けて支え手も参加者にする
  4. アダプテッドスポーツを社内のスポーツ交流や研修に取り入れる方法
    1. 企画の前に本人に聞き場所を確かめる
    2. 4つの場面に当てはめて変える所を決める
    3. 当日は役割と運動量を見て終わった後に直す
  5. アダプテッドスポーツと障害者雇用やダイバーシティ施策との関係
    1. 法定雇用率は2026年7月から2.7%に|対象は37.5人以上の企業
    2. 合理的配慮の提供は2016年4月から義務
    3. 職場は一緒に運動する相手になれる
  6. パラスポーツを支援する企業と始め方|企業が選べる3つの入口
    1. 地域の障害者スポーツセンターや自治体の施設に相談する
    2. 社員が初級パラスポーツ指導員の資格をとる
    3. 協会のパートナーや選手の雇用で支える
  7. アダプテッドスポーツのまとめ

アダプテッドスポーツとは|ルールや用具を人に合わせて変えるスポーツ

アダプテッドスポーツの考え方を示した図。一般的な競技では人がルールや用具に合わせ、アダプテッドスポーツではルールや用具を人に合わせる

アダプテッドスポーツは、参加する人の心身の状況に合わせて、ルールや用具を変えたスポーツです。一般的な競技では、決められたルールと全員共通の用具に、参加する人が合わせます。アダプテッドスポーツは考え方が逆で、ルールを変えてよいものとして扱い、用具で障害を補い、ルールのほうを人に合わせます。

東京都の障害者スポーツの資料は、障害に応じて競技規則や実施方法を変えたり、用具を使って障害を補ったりする工夫・適合・開発をしたスポーツを障害者スポーツとし、個々人の心身の状況に用具やルールを適合させることから、アダプテッド・スポーツとも言われると説明しています。英語の adapt(適合させる)が語源です。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

障害者スポーツやパラスポーツとの違い|指すものは重なり合う

アダプテッドスポーツ、障害者スポーツ、パラスポーツの3つは、指しているものがほとんど重なります。内閣府の障害者政策委員会に出された資料は、障害者や高齢者などが参画してルールや用具、指導法が工夫されるようになり、パラスポーツ(障害者スポーツ)が生まれ、同時にアダプテッド・スポーツの考え方が生まれたと整理しています。

違いは、どこに目を向けた言葉かにあります。パラスポーツや障害者スポーツは「障害のある人のスポーツ」という対象に、アダプテッドスポーツは「人に合わせて変える」という方法に光を当てた言葉です。そのため、アダプテッドスポーツは障害のある人に限らない広い意味で使われます。

(参考)障害者政策委員会 第87回 提出資料 – 内閣府

高齢者や子どもも対象になる|年齢や性別に関わらず参加できる

東京都の資料は、障害のある人はもとより、年齢や性別に関わらずだれもが参加できるよう、個々人の心身の状況に用具やルールを合わせると書いています。障害者スポーツというと車いすバスケットボールや車いすマラソンのような競技を思い浮かべがちですが、目的に応じて用具やルールを工夫しながらスポーツに親しむ点では、一般的なスポーツと同じで、決して特別なものではないとしています。

ボールを大きく軽くして球速を落とすラージボール卓球のように、子どもや高齢者が楽しめるよう考えられた種目も、同じ発想に立っています。子どもの運動経験や体育の全体像はスポーツ教育の基本で解説しています。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

(参考)ラージボール卓球 – 佐賀市

Q. アダプテッドスポーツとは簡単に言うと何ですか?

人をルールに合わせるのではなく、ルールや用具を人に合わせて、だれもが参加できるようにしたスポーツのことです。東京都の資料では、障害に応じて競技規則や実施方法を変えたり、用具で障害を補ったりする工夫をしたスポーツと説明されています。障害のある人だけでなく、年齢や性別に関わらず参加できるようにする考え方でもあります。

アダプテッドスポーツの例と種類|種目ごとに何を変えたかで見る

アダプテッドスポーツの種目は、パラリンピックで行われる種目と、障害の有無を問わず一緒に楽しむ種目に分けて見ると分かりやすくなります。下の表は、自治体と競技団体が公開している種目の説明から、それぞれ何を変えたのかを抜き出して並べたものです。

種目 分類 変えたもの 具体的な工夫
ボッチャ パラリンピック 用具・関わり方 投げられなければランプ(勾配具)を使い、ランプオペレーターに意思を伝えて投球する
シッティングバレーボール パラリンピック ルール・用具 床におしりをついてプレーし、ネットは男子1.15m、女子1.05mと低くする
ゴールボール パラリンピック ルール・用具 1チーム3人が目隠しをして、鈴の入ったボール(1.25kg)を転がし合う
ブラインドサッカー パラリンピック 用具・関わり方 音の出るボールを使い、ピッチの外のガイドが相手の位置などを伝える
車いすバスケットボール パラリンピック 用具・ルール コートとゴールの高さは同じで、車いすを2回押したら1回ドリブルする
パラバドミントン パラリンピック ルール 障害の種別でクラスを分け、車いすなど一部のシングルスはコートの半面を使う
卓球バレー 一緒にできる種目 ルール・用具・場所 卓球台をはさんで1チーム6人が椅子に座り、音の出る球をネットの下に転がして3打以内で返す
ふうせんバレーボール 一緒にできる種目 ルール・用具・関わり方 鈴の入った直径40cmの風船を使い、6人全員が触れてから10回以内に返す
デュランタベースボール 一緒にできる種目 ルール・用具・関わり方 止まったボールを打ち、走るのを別の選手に任せられる。柔らかく大きなボールを使う
ラージボール卓球 一緒にできる種目 用具 直径44mm・重さ2.2gの大きく軽いボールで球速を落とし、ラリーを続けやすくする

出典:東京都、江戸川区、佐賀市、日本ボッチャ協会の公開資料をもとに Human Soar 作成

並べてみると、パラリンピックの種目は、競技として公平に競えるよう用具やクラス分けを工夫したものが中心です。一方、一緒にできる種目には、ふうせんバレーボールの「全員が触れてから返す」のように、全員に出番をつくるルールが入っています。社内の交流に取り入れやすいのは後者です。

パラリンピックの種目で見る変え方

ボッチャは、ジャックボールと呼ばれる白い目標球に、赤と青それぞれ6球を投げたり転がしたりして、どれだけ近づけるかを競います。日本ボッチャ協会によると、重度脳性麻痺者などのために考案されたスポーツで、障害の程度でBC1からBC4の4クラスに分かれます。上から投げても下から投げても、蹴ってもよいとされています。

江戸川区は、東京2020パラリンピックの22競技すべてを区内で試合や練習ができる環境を整え、全国の自治体で初めての取り組みとして各競技の説明を公開しています。車いすバスケットボールは、車いすを使う以外はコートやゴールの高さが変わらず、ダブルドリブルの反則がない代わりに、車いすを2回押したら1回ドリブルする決まりです。パラバドミントンは障害の種別でクラスを分け、WH1、WH2、SL3のシングルスはコートの半面で試合をします。

(参考)ボッチャとは – 日本ボッチャ協会

(参考)東京2020パラリンピック22競技“できる”宣言 – 江戸川区

(参考)シッティングバレーボール – 江戸川区

(参考)ゴールボール – 江戸川区

(参考)サッカー(ブラインドサッカー) – 江戸川区

(参考)車いすバスケットボール – 江戸川区

(参考)バドミントン – 江戸川区

障害の有無を問わず一緒にできる種目

卓球バレーは、重度の障害のある人も体を動かせるようにと、バレーボールのルールをもとに考えられました。音の出る球を使い、ラケットにはかまぼこ板のような長方形の板を使います。ふうせんバレーボールは、障害のある選手3〜4名と障害のない選手2〜3名の合計6名でチームを組みます。

デュランタベースボールは、止まったボールを打つので誰でもボールを飛ばしやすく、走るのを別の選手に任せることもできます。ラージボール卓球は1988年に日本卓球協会がルールを定めたもので、子どもから若者、高齢者までが気軽に楽しめるよう考えられました。どれも、障害や年齢の違う人が同じ場で役割を持てる形になっています。

(参考)他のパラスポーツ・ニュースポーツの紹介 – 江戸川区

(参考)ラージボール卓球 – 佐賀市

Q. アダプテッドスポーツにはどんな種類がありますか?

パラリンピックの種目と、障害の有無を問わず一緒に楽しめる種目の大きく2つに分けられます。前者にはボッチャ、シッティングバレーボール、ゴールボール、車いすバスケットボールなどがあります。後者には卓球バレー、ふうせんバレーボール、ラージボール卓球などがあり、職場の交流行事にも取り入れやすい種目です。

アダプテッドスポーツの特徴|変える対象はルール・用具・場所・関わり方の4つ

アダプテッドスポーツで変えるものは、ルール、用具、場所、関わり方の4つに分けられます。東京都の資料は、工夫する対象として用具やルール、指導方法を挙げ、指導の留意点に施設を加えています。社内で種目を考えるときも、この4つのどれを変えるかで考えると、案が出しやすくなります。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

ルール|人数や回数や得点のしかたを変える

コートの広さ、1チームの人数、ボールに触れる回数、得点のしかたを変えます。ふうせんバレーボールでは、チーム6人全員がボールに触れてから10回以内に返すというルールにして、全員が触れないと相手に返せない形にしています。東京都の資料は、ルールは「安全に」「公平に」「楽しく」行えるよう考えるのが大切だとしています。

(参考)取組事例において紹介したスポーツについて – 東京都

用具|特別なものより今ある物の転用から考える

ボールの大きさや重さ、音の出る仕掛け、投げるための台などを変えます。競技用の車いすのように専用の物もありますが、東京都の資料は、既製の用具を転用、応用、代用することでスポーツ活動ができるようになるとしています。四面卓球バレーでは、ラケットの代わりにペットボトルやうちわを使うこともできると紹介されています。

(参考)取組事例において紹介したスポーツについて – 東京都

場所|座ってできる広さと高さにする

コートの広さやネットの高さ、床か屋外かといった場所の条件を変えます。卓球バレーは卓球台1台をはさんで椅子に座って行うので、体育館でなくても、卓球台を置いて周りに椅子を並べられる部屋があれば準備できます。シッティングバレーボールは座ったまま打ち合えるよう、ネットを男子1.15m、女子1.05mと低く張ります。

(参考)シッティングバレーボール – 江戸川区

関わり方|役割を分けて支え手も参加者にする

だれが何を担うかを変えます。ボッチャでは、投げられない選手がランプを使い、ランプを操作する人に意思を伝えて投げます。ブラインドサッカーでは、ピッチの外にいるガイドが相手の位置などを伝えます。支える役割を決めておくと、運動が苦手な人や体を動かせない日の人も、試合の一員として加われます。

(参考)ボッチャとは – 日本ボッチャ協会

(参考)サッカー(ブラインドサッカー) – 江戸川区

アダプテッドスポーツを社内のスポーツ交流や研修に取り入れる方法

社内のスポーツ行事をアダプテッドスポーツの考え方で組み立てる流れを、企画の前、企画するとき、当日、終わった後の4つの時期で示した図

社内に取り入れるときは、新しい種目を探すより先に、いま行っている行事のどこを変えれば全員が参加できるかを考えます。流れは、企画の前に参加者に聞き、企画するときにルールと用具を決め、当日は役割と運動量を見て、終わった後に次回に向けて直す、の順です。

企画の前に本人に聞き場所を確かめる

最初にするのは、参加する本人に、できる動き、避けたい動き、必要な配慮を聞くことです。東京都の資料は、障害のある人のスポーツを指導するときの留意点として、スポーツをする目的をはっきりさせること、医療機関から指示されている情報をできるだけ把握することを挙げています。障害名だけで判断せず、本人の言葉で確かめます。

あわせて、会場の段差、トイレ、駐車場、休める場所を確かめます。体育館を借りる場合は、施設の窓口でバリアフリーの状況や用具の貸し出しを聞いておくと、当日の準備が減ります。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

4つの場面に当てはめて変える所を決める

東京都の資料は、用具やルール、指導方法の工夫が必要になる場面として、障害があるためにできないことがある、事故の心配がある、障害を悪化させるおそれがある、規則などが複雑すぎて理解しにくい、の4つを挙げています。いまの種目をこの4つに照らし、当てはまる所だけを変えます。

たとえば、走ってボールを追う場面が難しいなら、走るのを別の人に任せるルールにします。硬いボールでけがが心配なら、柔らかいボールや風船に替えます。ルールが複雑なら、得点のしかたを1つに絞ります。全部を変える必要はなく、変えすぎると、元の種目の面白さが薄れることもあります。

ボッチャやモルックを使ったチームづくりの研修の組み立て方は、スポーツで作る多様性インクルージョン研修で紹介しています。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

当日は役割と運動量を見て終わった後に直す

当日は、投げる人、伝える人、記録する人などの役割を分け、全員に出番があるようにします。東京都の資料は、運動量に気を配ること、フォームにこだわりすぎないこと、協調性を育てることも留意点に挙げています。休憩をこまめに入れ、勝ち負けより全員が参加できたかを大事にします。

終わった後は、参加した人に、やりにくかった所、もっと変えたほうがよい所を聞き、次回のルールに反映します。1回で完成させようとせず、行事のたびに少しずつ直していくほうが定着します。交流を職場の日常に広げる進め方はスポーツでインクルージョンを推進する方法にまとめています。

(参考)障害者スポーツQ&A – 東京都

Q. 社内のスポーツ行事に障害のある社員が参加するとき、何から始めればよいですか?

企画を決める前に、参加する本人に、できる動きや避けたい動き、必要な配慮を聞くことから始めます。そのうえで、できない動きがある、事故の心配がある、障害が悪化するおそれがある、ルールが複雑すぎる、の4つの場面に当てはまる所を探し、ルールや用具、場所、役割の分け方を変えます。医療機関から指示を受けている人もいるので、本人の判断を優先してください。

アダプテッドスポーツと障害者雇用やダイバーシティ施策との関係

アダプテッドスポーツの考え方は、障害者雇用で求められる配慮と方向が同じです。法定雇用率が2.7%に上がり、障害のある社員が加わる職場が増えるなか、社内行事を全員が参加できる形にしておくことは、職場になじむきっかけをつくる手段の1つになります。

法定雇用率は2026年7月から2.7%に|対象は37.5人以上の企業

障害者雇用促進法は、事業主に一定の割合以上の障害者を雇うことを義務づけています。民間企業の法定雇用率は2026年7月に2.5%から2.7%に引き上げられ、障害者を雇う義務のある企業は従業員37.5人以上に広がりました。

厚生労働省の令和7年の集計では、2025年6月1日時点で民間企業に雇われている障害者は70万4,610.0人で過去最高、実雇用率は2.41%でした。一方で、法定雇用率を達成した企業の割合は46.0%にとどまっています。

あわせて読みたい障害者雇用率2.7%|企業のパラスポーツ式戦力化プラン›

(参考)令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます – 大分労働局

(参考)令和7年 障害者雇用状況の集計結果 – 厚生労働省

合理的配慮の提供は2016年4月から義務

2016年(平成28年)4月に施行された改正障害者雇用促進法により、雇用の分野での障害者への差別は禁止され、合理的配慮の提供は義務になりました。合理的配慮とは、障害のある人が働くうえでの支障をなくすため、本人の申し出などに応じて会社が行う調整のことです。

法律が定める合理的配慮は、募集・採用のときと採用後の職場での配慮が対象で、社内のスポーツ行事をどこまで調整するかは会社ごとに判断することになります。ただ、本人に聞いて、できない所だけを変えるという進め方は、アダプテッドスポーツと同じです。判断に迷うときは、ハローワークや専門家に確認してください。

(参考)雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務 – 厚生労働省

職場は一緒に運動する相手になれる

スポーツ庁の令和7年度の調査では、20歳以上の障害者のうち週1日以上運動・スポーツをする人は35.0%でした。過去1年間に障害のない人と運動・スポーツをした人は24.7%で、一緒にした相手は家族が42.6%、友人が40.9%、クラブ・サークル等の仲間が32.0%でした。

同じ調査で、運動をしている障害のある人に、運動をしていない障害のある人にはどんな支援や環境があればよいかを聞くと、安全に運動できる環境が28.1%、一緒に運動をしてくれる人が24.8%でした。安全に配慮した形で一緒に体を動かす相手は、職場でも用意できます。女性や障害者のスポーツ参加を数字で見た全体像はスポーツのダイバーシティの数字と実例で整理しています。

(参考)令和7年度「障害児・者のスポーツライフに関する調査研究」の調査結果について – スポーツ庁

パラスポーツを支援する企業と始め方|企業が選べる3つの入口

アダプテッドスポーツやパラスポーツに企業が関わる入口は、地域の施設や団体を使う、社員が指導の資格をとる、協賛や雇用で支える、の3つです。社内行事から始めるなら最初の2つ、ブランドや採用の施策として関わるなら3つ目が向いています。

地域の障害者スポーツセンターや自治体の施設に相談する

用具やルールの知識がない段階では、地域の障害者スポーツセンターや自治体のスポーツ施設に相談するのが近道です。たとえば江戸川区は、区内7カ所のスポーツ施設で、誰でも無料でスポーツや運動の相談ができるサービスを行い、スポーツセンターではシッティングバレーボールの専用ネットも貸し出しています。会社の近くの施設に、体験会の講師や用具の貸し出しを頼めるか聞いてみてください。

(参考)東京2020パラリンピック22競技“できる”宣言 – 江戸川区

(参考)シッティングバレーボール – 江戸川区

社員が初級パラスポーツ指導員の資格をとる

社内で継続して行うなら、社員が日本パラスポーツ協会の公認資格をとる方法があります。初級パラスポーツ指導員は満18歳以上なら受講でき、協会が認定した養成講習会で21時間以上のカリキュラムを学んで資格を申請します。受講料や日程は開催地によって違います。

初級の指導員は、障害のある人がスポーツを始めるきっかけづくりを支える役割です。社内に1人いるだけで、行事の企画で「どこを変えればよいか」を判断しやすくなります。

(参考)資格のとり方 – 日本パラスポーツ協会

(参考)どのような資格があるの? – 日本パラスポーツ協会

協会のパートナーや選手の雇用で支える

日本パラスポーツ協会のサイトには、日本航空、トヨタ自動車、サントリーホールディングス、パナソニック、三菱商事、サイボウズなど30を超える企業・団体がオフィシャルパートナーとして掲載されています(2026年10月26日時点)。航空、鉄道、保険、建設、IT、食品と業種は幅広くなっています。大会単位の協賛の例はデフリンピックの協賛企業一覧で見られます。

選手を社員として迎える方法もあります。競技と仕事を両立させる働き方の設計が要になるので、受け入れの形を先に決めておきます。

あわせて読みたいパラアスリート雇用企業事例|採用担当が押さえる定着策›

(参考)JPSAオフィシャルパートナー – 日本パラスポーツ協会

Q. パラスポーツを支援している企業にはどこがありますか?

日本パラスポーツ協会のサイトには、日本航空、トヨタ自動車、サントリーホールディングス、パナソニック、サイボウズなど30を超える企業・団体がオフィシャルパートナーとして掲載されています。協賛のほかにも、選手の雇用や、社員がパラスポーツ指導員の資格をとる形で関わる方法があります。

アダプテッドスポーツのまとめ

アダプテッドスポーツは、障害者スポーツの種目名である以上に、人に合わせてルールを変えるという考え方です。社内の行事に取り入れるときも、特別な種目を探すより、いまの行事のどこを変えれば全員が参加できるかを考えるほうが早く進みます。数値の出典は本文の各セクションに記載しています。

  • アダプテッドスポーツは、ルールや用具を人に合わせて変え、障害の有無や年齢に関わらず参加できるようにしたスポーツ
  • 変える対象はルール・用具・場所・関わり方の4つで、「安全に」「公平に」「楽しく」行えるかで確かめる
  • 社内には、卓球バレーやふうせんバレーボールのように、障害のある人とない人が同じチームで役割を持てる種目が向いている
  • 企画の前に本人に聞き、できない・事故の心配・悪化のおそれ・ルールが複雑の4つの場面だけを変える
  • 法定雇用率は2026年7月から2.7%。地域の施設への相談、指導員の資格、協賛や雇用が企業の入口になる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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