ラリーガのスポンサー日本企業|楽天など歴代の契約と現地の決まり

ラリーガのスポンサー日本企業|楽天など歴代の契約と現地の決まり スポーツマーケティング

ラ・リーガ(スペインのプロサッカーリーグ)のスポンサーを務めた日本企業は、公式発表で確かめると、FCバルセロナの胸に入った楽天、RCDマジョルカの胸に入るタイカ、FCバルセロナのコナミ、レアル・マドリードのキヤノンメディカルシステムズなどです。リーグ本体とは、マツダやソニー銀行、H.I.S.などが契約していました。金額を公表したのは楽天の年間5,500万ユーロだけで、契約の前には、クラブごとの支出上限や賭博スポンサーの禁止といったスペイン独自の決まりも確かめておく必要があります。

スペインのクラブとの協賛を社内で持ち出すと、「日本企業はどこがやっているのか」「メインスポンサーにはいくらかかるのか」「日本の広告に使えるのか」と続けて聞かれます。報道で見た名前はあっても、それが今も続いているのか、どこまでの権利なのかを答えられる資料は意外と手元にありません。ここでは、クラブ・企業・リーグの公式発表で確かめられた契約だけを並べ、検討の順番まで整理します。

ラ・リーガのスポンサー日本企業の一覧|歴代を現在と過去に分ける

ラ・リーガのリーグ本体と1部・2部のクラブが日本企業と結んだ契約を、クラブ・企業・リーグの公式発表、またはクラブ公式サイトのスポンサー一覧で確かめられたものに絞りました。配信の契約(放映権)はスポンサーとは別の契約なので、表には入れていません。

相手 日本企業 契約の名称 権利の範囲 公式発表の時期 期間の書き方 現在か過去か
FCバルセロナ コナミ グローバルパートナー、公式ビデオゲームパートナー 記載なし 2016年から、2023年8月に延長 複数シーズン 現在(クラブの公式パートナー一覧に掲載)
レアル・マドリード キヤノンメディカルシステムズ サッカーのグローバルパートナー 記載なし 記載なし 記載なし 現在(クラブのスポンサー一覧に掲載)
RCDマジョルカ タイカ(αGEL) グローバル・メインスポンサー(胸) 世界 2021年8月から、2025年に延長 2027年6月まで 現在(2026/27シーズンは2部)
FCバルセロナ 楽天 メインパートナー(胸)、グローバル イノベーション&エンターテインメントパートナー 世界 2016年11月(基本合意) 2017-2018シーズンから2022年6月30日まで 過去
ラ・リーガ マツダ 公式自動車ブランド 記載なし(1部と2部の大会) 2015年8月 2015-2016シーズン 過去
ラ・リーガ ソニー銀行 日本におけるオフィシャルバンキングパートナー 日本 2019年12月 記載なし 現在の公式スポンサー一覧に名前なし
ラ・リーガ H.I.S. 商業パートナー 記載なし 2020年5月のLALIGAの発表に記載 記載なし 現在の公式スポンサー一覧に名前なし
ラ・リーガ スポーツナビ 日本での公式メディアパートナー 日本 2020年5月 2020年末まで(更新可能) 現在の公式スポンサー一覧に名前なし
ラ・リーガ 若竹グループ 日本の育成年代と指導者養成の公式パートナー 日本 2020年12月 2022年6月まで 過去

出典:各クラブ・各社・LALIGAの公式発表、FCバルセロナとレアル・マドリードの公式サイトのスポンサー一覧(2026年11月3日に確認)をもとに Human Soar 作成。範囲と期間は発表の文面どおり

9件の内訳は、クラブとの契約が4件、リーグ本体との契約が5件です。リーグ本体との5件のうち3件は権利の範囲を「日本」と書いた契約でした。クラブとの契約は、胸に社名が入るメインスポンサーが2件、公式パートナーが2件です。

2026年11月3日時点で、LALIGAの公式サイトのスポンサー一覧に日本企業の名前はありません。いま日本企業の名前が見えるのは、クラブとの契約です。金額を公表した契約は9件のうち楽天の1件だけで、期間を年やシーズンで書いた契約は5件でした。

(参考)FC Barcelona and KONAMI renew global partnership – FC Barcelona

(参考)Sponsors – Real Madrid CF

(参考)Taica and RCD Mallorca reach a historic sponsorship agreement – RCD Mallorca

(参考)楽天、「FCバルセロナ」と2017-2018シーズンからグローバルでの「メインパートナー」契約で基本合意(2016年11月16日) – 楽天

(参考)LaLiga team up with Mazda – LALIGA

(参考)ソニー銀行株式会社がLaLiga(リーガ・エスパニョーラ)の新たなパートナーに(2019年12月10日) – ソニー銀行

(参考)Sportsnavi becomes Official Media Partner of LaLiga in Japan – LALIGA

(参考)LaLiga and Wakatake Group join forces in Japan – LALIGA

(参考)Sponsors – LALIGA

Q. ラ・リーガのスポンサーになっている日本企業はどこですか?

クラブの公式サイトと公式発表で確かめられる現在の例は、FCバルセロナのコナミ、レアル・マドリードのキヤノンメディカルシステムズ、RCDマジョルカのタイカです。過去には楽天がFCバルセロナの胸に入り、リーグ本体とはマツダ、H.I.S.、ソニー銀行、スポーツナビ、若竹グループが契約していました。2026年11月3日時点のLALIGA公式サイトのスポンサー一覧には、日本企業の名前はありません。

ラ・リーガのメインスポンサーを務めた日本企業は楽天とタイカ

ラ・リーガのクラブのメインスポンサーになった日本企業2社の契約の流れ(楽天とタイカ)

クラブのユニフォームの胸に社名を入れるメインスポンサーは、公式発表で確かめると、楽天(FCバルセロナ)とタイカ(RCDマジョルカ)です。2社は、契約の発表から期間の延ばし方までの流れが違います。

楽天|FCバルセロナの胸に5シーズン

楽天は2016年11月、FCバルセロナとの4年間の契約で基本合意したと発表しました。2017-2018シーズンからグローバルの「メインパートナー」に加え、「グローバル イノベーション&エンターテインメント パートナー」となり、契約金額は年間5,500万ユーロ、さらに1年の延長オプションが付いていました。

この発表には、ソシオ(クラブ会員)の臨時総会で最終承認される見込みだと書かれています。FCバルセロナでは、この契約が会員の総会にかけられる手続きになっていたわけです。社内の発表日を決めるときは、相手のクラブの承認の手続きと時期を先に聞いておくと、予定がずれにくくなります。

楽天とFCバルセロナは2020年10月9日に延長オプションを使うことで合意し、契約は2022年6月30日まで続きました。2017-2018シーズンから数えると5シーズンです。延長にあたっては、新型コロナウイルス感染症の影響から、ほかのロゴ掲出の範囲などを最適化すると発表しています。

(参考)楽天、「FCバルセロナ」と2017-2018シーズンからグローバルでの「メインパートナー」契約で基本合意(2016年11月16日) – 楽天

(参考)楽天とFCバルセロナ、パートナーシップを延長(2020年11月6日) – 楽天

(参考)FC Barcelona and Rakuten extend partnership for the 2021/22 season – FC Barcelona

タイカ|RCDマジョルカの胸で2027年6月まで

素材メーカーのタイカは、2021年8月からRCDマジョルカのグローバル・メインスポンサーです。タイカの説明では、ブランド「αGEL(アルファゲル)」のロゴが、ユニフォームの中央のほか、本拠地エスタディ・ソン・モイシュの看板やクラブのバスなどに入ります。2021年の発表で、タイカの社長は当時所属していた久保建英選手の存在にも触れていました。

マジョルカは2025年、契約を2シーズン延長したと発表しました。これで関係は2027年6月に6シーズンとなり、クラブ史上最も長い国際的なスポンサーになるとしています。金額は書かれていませんが、経済面でもこれまでで最も大きな契約だと説明しています。

マジョルカは2026/27シーズン、2部(LALIGA HYPERMOTION)に所属しています。相手のクラブが降格すると、社名が出る試合も2部の試合になります。降格したときの扱いは、契約で決めておく項目として覚えておくとよいでしょう。メインスポンサーという呼び名の意味と、ほかの呼び名との違いは次の記事にまとめています。

あわせて読みたいメインスポンサーとは|企業が知るスポーツ協賛の呼び名と金額›

(参考)RCD Mallorca welcomes Taica Corporation as its principal global sponsor – RCD Mallorca

(参考)Taica and RCD Mallorca reach a historic sponsorship agreement – RCD Mallorca

(参考)Taica is the Global Main Sponsor for RCD Mallorca of La Liga – Taica Corporation

(参考)LALIGA HYPERMOTION Clubs – LALIGA

Q. 楽天はFCバルセロナにいくら払っていましたか?

楽天は2016年11月の発表で、契約金額を年間5,500万ユーロと公表しました。期間は2017-2018シーズンからの4年間で、1年の延長オプションを使って2022年6月30日まで続きました。延長した1年分は権利の範囲を見直すと発表され、金額は公表されていません。

胸以外の契約|クラブの業種パートナーとリーグの日本向けパートナー

胸に社名を入れなくても、クラブやリーグの公式な肩書きを得る契約があります。ラ・リーガの日本企業の例は、クラブと結ぶ業種のパートナーと、リーグ本体と結ぶ日本向けのパートナーに分かれます。肩書きと権利の関係はオフィシャルパートナーの意味と権利で詳しく説明しています。

コナミとキヤノンメディカルはクラブの公式パートナー

コナミは2016年からFCバルセロナと契約しています。2023年8月の発表では、複数シーズンの延長で合意し、グローバルパートナー兼公式ビデオゲームパートナーを続けるとしています。コナミはトップチームに接してゲームの制作に使う素材を集められることも書かれ、発表には欧州法人の社長がコメントを寄せています。

レアル・マドリードの公式サイトでは、キヤノンメディカルシステムズがサッカーのグローバルパートナーとして載っています。コナミの例のように、胸の広告がなくても、公式な肩書きとクラブに関わる権利を得る契約があるわけです。キヤノンメディカルの契約の中身は一覧からは分からないため、同じ種類の契約を考えるときは、製品の宣伝に選手やクラブの名前を使えるかをクラブに直接確かめます。

(参考)FC Barcelona and KONAMI renew global partnership – FC Barcelona

(参考)Official Partners – FC Barcelona

(参考)Sponsors – Real Madrid CF

ソニー銀行やスポーツナビはリーグと日本向けに契約した

ソニー銀行は2019年12月、ラ・リーガの日本におけるオフィシャルバンキングパートナーになると発表しました。発表では、顧客向けの試合観戦の提供、日本でのラ・リーガのイベントへの参加、各クラブのグッズの提供ができると説明しています。2020年3月2日には、所属クラブのユニフォームが合計90名に当たるキャンペーンを始めました。

LALIGAは2020年5月の発表で、商業パートナーとしてH.I.S.とソニー銀行の名前を挙げています。同じ発表で、スポーツナビが日本で初めての公式メディアパートナーになり、契約は2020年末まで(更新可能)としていました。2020年12月には、若竹グループが日本の育成年代と指導者養成の分野で初めての公式パートナーになり、期間は2022年6月までと発表されています。

ソニー銀行のキャンペーンの賞品は、1つのクラブではなく所属クラブのユニフォームでした。リーグ本体との契約では、特定のクラブに絞らない企画を組めることが、クラブとの契約との違いになります。

(参考)ソニー銀行株式会社がLaLiga(リーガ・エスパニョーラ)の新たなパートナーに(2019年12月10日) – ソニー銀行

(参考)LaLiga所属クラブのユニフォームが合計90名さまに当たる!キャンペーンでユニフォームゲット! – ソニー銀行 公式ブログ

(参考)Sportsnavi becomes Official Media Partner of LaLiga in Japan – LALIGA

(参考)LaLiga and Wakatake Group join forces in Japan – LALIGA

U-NEXTとDAZNは放映権の契約で別に考える

日本でラ・リーガの試合を配信しているU-NEXTとDAZNの契約は、スポンサーではなく放映権の契約です。LALIGAの2023年6月の発表では、2023/24から2027/28までの5シーズン、両社が1部の全380試合を配信します。DAZNとは2017年からの契約の延長で、U-NEXTは初めての契約でした。

配信の中で自社の広告を流したい場合、相手はクラブやリーグではなく配信事業者になります。試合の映像と自社の名前を結び付けたいのか、クラブの肩書きを使いたいのかで、話をする相手が変わります。

(参考)U-NEXT and DAZN secure LaLiga rights for the Japanese market – LALIGA

ラ・リーガ独自の決まり|支出上限と賭博スポンサーの禁止

ラ・リーガのクラブと契約するなら、スペインならではの決まりを2つ知っておく必要があります。リーグがクラブごとに認める支出上限と、法律による賭博スポンサーの制限です。下の表は、LALIGAが公表した2026/27シーズンの1部20クラブの支出上限に、公式発表で確かめた日本企業の契約を並べたものです。

クラブ(1部) 支出上限(千ユーロ) 1部の合計に占める割合 公式発表で確かめた日本企業
レアル・マドリード 832,786 26.8% キヤノンメディカルシステムズ
FCバルセロナ 582,769 18.7% コナミ/楽天(過去)
アトレティコ・マドリード 361,287 11.6% -
ビジャレアル 170,564 5.5% -
レアル・ベティス 142,847 4.6% -
アスレティック・クラブ 139,203 4.5% -
レアル・ソシエダ 137,190 4.4% -
バレンシア 98,812 3.2% -
セルタ 88,089 2.8% -
デポルティボ・ラ・コルーニャ 64,016 2.1% -
ラージョ・バジェカーノ 62,319 2.0% -
エスパニョール 61,791 2.0% -
エルチェ 60,140 1.9% -
ヘタフェ 56,704 1.8% -
オサスナ 55,354 1.8% -
ラシン・サンタンデール 53,183 1.7% -
レバンテ 45,571 1.5% -
アラベス 43,253 1.4% -
マラガ 33,634 1.1% -
セビージャ 20,161 0.6% -

出典:LALIGA「Squad Cost Limit」(2026/27シーズン、夏の移籍市場後)をもとに Human Soar 作成。割合は1部の合計3,109,673千ユーロで割った値。日本企業は一覧の表と同じ公式発表による。2部のRCDマジョルカ(タイカ)は34,697千ユーロ

1部20クラブの支出上限の合計は3,109,673千ユーロ(約31億ユーロ)で、レアル・マドリードとFCバルセロナの2クラブを足すと1,415,555千ユーロになります。計算すると1部の合計の45.5%で、最も大きいレアル・マドリードの832,786千ユーロは、最も小さいセビージャの20,161千ユーロの約41倍です。2部22クラブの合計は250,510千ユーロで、1部の合計はその約12倍にあたります。

公式発表で日本企業との契約を確かめられた1部のクラブは、上限の大きい順に1位と2位の2クラブでした。2部のマジョルカの上限34,697千ユーロは、2部では2番目の大きさです。

(参考)Squad Cost Limit – LALIGA

支出上限はクラブの収入の見込みから決まる

LALIGAの支出上限は、全クラブ同じ額ではありません。各クラブが予算のルールに沿って上限の案を出し、LALIGAの承認機関が認めるか、クラブの財務の安定を保てる額まで直します。上限には選手と監督などの固定給と変動給、社会保険料、移籍金の償却などが含まれ、トップチームだけでなく下部組織の費用も入ります。

LALIGAのビジネススクールの説明では、上限はクラブの収入の見込みから、競技以外の支出の見込みを引いて計算します。スポンサー料もクラブの収入に入るため、契約の金額と支払いの時期は、クラブが上限の案をつくるときの前提になります。リーグごとの報酬の上限の違いは、次の記事で比べています。

あわせて読みたいサラリーキャップとは|NBA・Bリーグの上限額と企業への影響›

(参考)Salary cap: what is it and examples – LALIGA Business School

賭博会社はユニフォームとスタジアムの名前に入らない

スペインの王令958/2020(賭博の商業的な宣伝に関する王令)の第12条は、賭博事業者の協賛について決めています。ユニフォームへの協賛は認められず、競技施設や娯楽施設の名前に事業者名を付けることも、チームや大会の名前に事業者名を加えることもできません。競技場の中の広告は、王令が定める放送の時間帯の制限と同じ条件に従います。

この王令は2024年4月の最高裁判決で一部の条項が無効とされましたが、BOE(スペインの官報)の統合版では、第12条に無効の注記はありません。日本企業でも、ゲームや決済などで事業が賭けに関わる場合は、契約の前にこの条文に当たるかを現地の専門家に確かめます。日本での賭けの扱いはスポーツベッティングの日本での扱いと協賛の注意点で整理しています。

(参考)Real Decreto 958/2020, de 3 de noviembre, de comunicaciones comerciales de las actividades de juego – BOE(Agencia Estatal Boletín Oficial del Estado)

Q. ラ・リーガでは賭博会社が胸スポンサーになれますか?

なれません。スペインの王令958/2020の第12条は、賭博事業者がユニフォームに協賛することと、競技施設やチームの名前に事業者名を付けることを認めていません。ラ・リーガのクラブと契約する日本企業の事業が賭けに関わる場合は、この条文を先に確かめます。

ラ・リーガのスポンサー契約で企業が先に確かめること

ラ・リーガでスポンサー契約を結ぶ相手を、権利を使いたい場所で選ぶ分かれ道(クラブ、リーグ、配信事業者)

契約の相手は、権利を使いたい場所で決まります。世界で胸や肩書きを使うならクラブ、日本の顧客向けの企画に使うならリーグ本体の日本向けの契約、試合の映像の中で見せたいなら配信事業者が相手です。そのうえで、次の4つを確かめておくと、社内説明と交渉が進めやすくなります。

権利を使える地域と日本語での発信

一覧のとおり、リーグ本体との日本向けの契約は、権利の範囲を「日本」と書いていました。ソニー銀行の発表も「日本における」パートナーと名乗っています。日本語の広告やSNSでクラブ名やロゴを使いたい場合は、使える地域と言語、ロゴの承認の手順を契約書に書いておきます。

話の入り口としては、LALIGAが2017年から日本に駐在の担当者を置いていることが手がかりになります。Jリーグも2017年にラ・リーガと戦略的連携協定を結び、2020年7月から2023年6月まで期間を延ばしていました。日本の会社とスペインのリーグのあいだには、すでに窓口が作られてきたわけです。

(参考)Sportsnavi becomes Official Media Partner of LaLiga in Japan – LALIGA

(参考)ラ・リーガとの戦略的連携協定の締結期間延長について – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

金額は公表されないことが多い

一覧の9件のうち、金額を公表したのは楽天の年間5,500万ユーロだけでした。マジョルカとタイカの2025年の延長も、クラブは「経済面で最も大きな契約」と書くにとどめています。報道の推計額を社内資料の根拠にせず、権利の中身と期間をそろえたうえでクラブから見積もりを取ります。スポンサー料の決まり方の全体像はスポーツスポンサーの仕組みと金額で、協賛を販売や採用につなげる進め方はスポーツマーケティングの進め方で説明しています。

(参考)楽天、「FCバルセロナ」と2017-2018シーズンからグローバルでの「メインパートナー」契約で基本合意(2016年11月16日) – 楽天

(参考)Taica and RCD Mallorca reach a historic sponsorship agreement – RCD Mallorca

降格と延長の扱いを契約に書く

ラ・リーガのクラブは1部と2部を行き来します。マジョルカは2026/27シーズンを2部で戦っており、メインスポンサーの露出は1部のときと変わります。降格したときに金額や権利をどう変えるか、延長のオプションを誰がいつまでに使えるかを、契約の時点で決めておきます。

楽天の契約は、1年の延長オプションを最初から入れておき、2020年10月に行使したことで期間を延ばしました。延長するかどうかを決める期限と、延長したときに権利の範囲を見直せるかどうかも、交渉の項目に入れておくと安心です。契約書で確かめる項目は次の記事にまとめています。

あわせて読みたいスポーツスポンサー契約とは|企業が確かめる6項目と印紙・法律›

(参考)LALIGA HYPERMOTION Clubs – LALIGA

(参考)楽天とFCバルセロナ、パートナーシップを延長(2020年11月6日) – 楽天

日本でのプレゼント企画は景品の上限を確かめる

ソニー銀行がユニフォームを抽選で配ったように、海外のクラブとの契約は、日本の顧客向けのプレゼント企画に使われます。日本で実施する以上、景品表示法の上限が当てはまります。消費者庁によると、商品の購入などを条件にした懸賞では、景品の最高額は取引価額の20倍(取引価額が5,000円以上なら10万円)、総額は懸賞に関わる売上予定総額の2%までです。

観戦旅行やサイン入りのユニフォームを賞品にするときは、この上限に収まるかを企画書の段階で計算しておきます。応募の条件の決め方はスポーツスポンサーのキャンペーン企画で、英国のクラブとの契約の例はプレミアリーグのスポンサーを務める日本企業で紹介しています。

(参考)景品規制の概要 – 消費者庁

Q. ラ・リーガのクラブのスポンサー料はいくらですか?

ほとんど公表されていません。この記事の一覧にある9件のうち、金額を公表したのは楽天の年間5,500万ユーロだけです。マジョルカはタイカとの2025年の延長を経済面でクラブ史上最大の契約と発表しましたが、金額は書いていません。

ラ・リーガのスポンサー日本企業のまとめ

ラ・リーガと日本企業の契約は、クラブの胸と業種のパートナー、リーグ本体の日本向けのパートナーに分かれます。数値と日付の出典は本文の各セクションに記載しています。

  • メインスポンサーは楽天(FCバルセロナ、2022年6月まで)とタイカ(RCDマジョルカ、2027年6月まで)が代表例
  • 現在クラブの一覧に名前があるのは、FCバルセロナのコナミとレアル・マドリードのキヤノンメディカルシステムズ
  • リーグ本体とはマツダ・ソニー銀行・H.I.S.・スポーツナビ・若竹グループが契約したが、現在の公式スポンサー一覧に日本企業はない
  • 金額を公表したのは楽天の年間5,500万ユーロだけで、クラブごとの支出上限は最大で約41倍の差がある
  • 賭博事業者はユニフォームとスタジアムの名前に入れず、日本でのプレゼント企画は景品の上限を確かめる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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