F1の収益と放映権|38.7億ドルの内訳と日本企業の関わり方

F1の収益と放映権|38.7億ドルの内訳と日本企業の関わり方 スポーツビジネス

F1の2025年の売上は38億7,300万ドルで、1ドル=150円で計算すると約5,810億円です。内訳は放映権が31.3%、開催地が払う開催料が26.7%、スポンサーが21.7%で、売上の36.1%にあたる14億ドルが賞金としてチームに配られました。日本では2026年からフジテレビが放送と配信の権利を独占し、鈴鹿の日本グランプリは3日間で31万5,000人を集めています。

F1の名前を見ない日が増えた。映画がヒットし、鈴鹿の来場者は2009年以来の多さになり、取引先との雑談でもF1の話題が出る。けれど、協賛や番組への出稿を考え始めると、「お金はどこから入って、誰に配られているのか」が分からない。ここでは、F1を保有する会社の年次報告書と国内の公式発表をもとに、F1の収益と放映権の仕組みを数字で整理します。

  1. F1の収益構造|2025年の売上38.7億ドルは4つの収入でできている
    1. 開催料|開催地の主催者がレースを開く権利に払う
    2. 放映権|放送局と配信サービスが中継の権利に払う
    3. スポンサー|冠スポンサーとグローバルパートナーが払う
    4. その他|パドッククラブや貨物の輸送で稼ぐ
  2. F1の年間収益の推移|売上は3年で1.5倍に伸びた
    1. スポンサーの比率は16.9%から21.7%に上がった
    2. チームへの支払いは売上の36%前後で落ち着いている
  3. F1チームの収益|賞金の分配は1チーム平均約1.4億ドル
    1. 賞金の分配は前年のコンストラクターズ順位で決まる
    2. チームの支出は予算上限で2億1,500万ドルまで
  4. F1の放映権料|世界で約12億ドル・日本は2030年までフジテレビが独占
    1. 世界の放映権は50を超える契約で売られている
    2. 日本の放映権は2026年からフジテレビが独占
    3. Jリーグとの違いは開催料の大きさにある
  5. F1日本グランプリの収益|鈴鹿は2026年に3日間で31万5,000人
    1. 海外からの観戦客は2025年に約8万人
    2. チケットとホスピタリティの価格帯は1.8万円から110万円
    3. 地元の宿泊・旅行・飲食の事業者が関われる場面
  6. F1スポンサーの日本企業|3つの関わり方と契約前に確かめる点
    1. レースの冠とグローバルパートナー
    2. チームのタイトルパートナーはトヨタがハースと組んだ
    3. パワーユニットの供給はホンダがアストンマーティンと組む
  7. F1の収益と放映権のまとめ

F1の収益構造|2025年の売上38.7億ドルは4つの収入でできている

F1の収益構造を示した図(開催地の主催者・放送局・スポンサー・観戦客がFormula 1へお金を払い、チームは賞金の分配を受け取る)

F1の売上は、開催料、放映権、スポンサー、その他の4つの収入でできています。F1の商業権を持つFormula 1は、米国のLiberty Mediaの子会社です。同社が2026年2月に提出した年次報告書(10-K)によると、2025年のF1の売上は38億7,300万ドルで、24戦を21か国で開催しました。

報告書は収入の比率だけを示しているので、売上に比率を掛けて金額にすると次のようになります。開催料が約10億3,400万ドル、放映権が約12億1,200万ドル、スポンサーが約8億4,000万ドル、その他が7億8,700万ドルです。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

開催料|開催地の主催者がレースを開く権利に払う

開催料は、各国のサーキットや主催者がF1のレースを開き、宣伝する権利に対して払うお金です。2025年は売上の26.7%でした。契約は最初の期間が3〜7年のものが多く、期間中に毎年金額が上がる取り決めが一般的です。

2025年に開催料が増えたのは、主に契約で決まった値上げによるものだと説明されています。開催地が増えなくても、契約の年数が進むごとに収入が積み上がる仕組みです。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

放映権|放送局と配信サービスが中継の権利に払う

放映権の収入は、テレビ局や配信サービスがレースや予選を中継する権利に払うお金と、F1が自ら運営する配信サービス「F1 TV」の会費などです。2025年は売上の31.3%で、4つの中で最も大きな収入でした。

2025年の伸びには、契約で決まった値上げとF1 TVの会員の増加に加えて、映画「F1」の公開に伴う一時的な収入が含まれています。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

スポンサー|冠スポンサーとグローバルパートナーが払う

F1本体のスポンサー収入は、コース脇の看板、各レースの冠、F1のグローバルパートナーや公式サプライヤーの権利などを売って得るお金です。2025年は売上の21.7%で、新しいスポンサーの獲得とデジタル広告の伸びで増えました。

チームの車体やウェアに付くロゴは、チームが自分で集めるスポンサーで、この数字には含まれません。F1の売上に入るのは、F1本体とレースに付くスポンサーだけです。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

その他|パドッククラブや貨物の輸送で稼ぐ

その他の収入は、パドッククラブと呼ばれる高級な観戦席の販売、欧州の外で開くレースへの車や機材の輸送、ラスベガスのレースでの観戦体験の販売、F2・F3などの下位シリーズの運営などから入ります。2025年は7億8,700万ドルでした。

反対に、チームは参戦を約束する代わりに、F1から賞金の分配を受け取ります。お金の流れが一方向ではなく、F1が集めた売上の一部がチームへ戻る形になっている点が、F1の収益構造の特徴です。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

Q. F1の年間の収益はいくらですか?

2025年のF1の売上は38億7,300万ドルです。1ドル=150円で計算すると約5,810億円で、放映権が31.3%、開催地が払う開催料が26.7%、スポンサーが21.7%を占めます。数字はF1を保有する米国のLiberty Mediaが提出した年次報告書によるものです。

F1の年間収益の推移|売上は3年で1.5倍に伸びた

F1の売上は、2022年の25億7,300万ドルから2025年の38億7,300万ドルへ、3年で約1.5倍になりました。収入の比率とチームへの支払いを年ごとに並べると、次のとおりです。

年 売上 開催料 放映権 スポンサー チームへの支払い(売上に対する比率) レース数
2022年 25億7,300万ドル 28.6% 36.4% 16.9% 11億5,700万ドル(45.0%) 22戦
2023年 32億2,200万ドル 29.3% 32.2% 18.0% 12億1,500万ドル(37.7%) 22戦
2024年 34億1,100万ドル 29.3% 32.8% 18.6% 12億6,600万ドル(37.1%) 24戦
2025年 38億7,300万ドル 26.7% 31.3% 21.7% 14億ドル(36.1%) 24戦

出典:Liberty Media Corporation Form 10-K(2023年12月期・2024年12月期・2025年12月期)をもとに Human Soar 作成。チームへの支払いは、2025年に計上された5,000万ドルのコンコルド協定の奨励金を除く

スポンサーの比率は16.9%から21.7%に上がった

3年間で比率が最も大きく変わったのはスポンサーで、2022年の16.9%から2025年の21.7%に上がりました。反対に放映権は36.4%から31.3%に下がっています。放映権の金額は増えていますが、スポンサーとその他の収入がそれ以上の速さで伸びたためです。

放映権の契約は3〜5年単位で結ばれます。スポンサーは新しい企業を獲得すれば増やせる収入で、2025年の増加も新しいスポンサーの獲得などによるものと報告書は説明しています。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2024年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2023年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

チームへの支払いは売上の36%前後で落ち着いている

チームへの支払いは、2022年に売上の45.0%でしたが、2023年以降は37.7%、37.1%、36.1%と36〜38%の幅で推移しています。金額は2022年の11億5,700万ドルから2025年の14億ドルへ増えていて、売上が伸びればチームの受け取りも増える関係です。

2025年の増加について報告書は、F1の売上と費用をもとに計算する賞金の部分が増えたためだと説明しています。分配のしくみは次の章で詳しく見ていきます。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

F1チームの収益|賞金の分配は1チーム平均約1.4億ドル

F1チームの収益のうち賞金の分配の平均を求めた図(2025年のチームへの支払い14億ドルを10チームで割ると約1.4億ドル)

F1チームの収益は、F1から受け取る賞金の分配と、チームが自分で集めるスポンサーの収入が柱です。2025年にF1がチームに払った14億ドルを、参戦した10チームで割ると、1チームあたり平均約1.4億ドルになります。1ドル=150円なら約210億円です。

ただし実際の受け取りは順位で大きく変わるので、平均はあくまで目安です。2026年からはキャデラックが加わり、11チームになりました。11チームは2030年末まで参戦を続けることを約束しています。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

賞金の分配は前年のコンストラクターズ順位で決まる

チームへの賞金は、F1、FIA(国際自動車連盟)、チームの3者が結ぶコンコルド協定で決まります。2026年からの協定では、F1の利益をもとにした金額の一定割合を賞金の原資とし、その一部を歴史への貢献としてフェラーリに払い、残りを過去のコンストラクターズ選手権の成績に応じて配ります。大半は前年の順位で決まります。

F1はチームに出資しておらず、ドライバーとも契約していません。ドライバーを雇い、参戦の費用をまかなうのは各チームで、賞金のほかに自分のパートナー企業からのスポンサー収入で運営しています。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

チームの支出は予算上限で2億1,500万ドルまで

収益が増えても、チームが使えるお金には上限があります。FIAの2026年の財務規則は、年24戦以下の場合の上限を2億1,500万ドルと定め、24戦を超えると1戦ごとに180万ドルを足します。マーケティングに直接かかる費用やドライバーへの報酬は、上限の計算から除かれます。

F1の公式サイトによると、上限は2021年に1億4,500万ドルで始まり、2025年は1億3,500万ドルに物価の上昇分を足した額でした。2026年に8,000万ドル上がったのは、これまで上限の外にあった減価償却費などを含めるようにしたためで、F1は変更を差し引くと全体ではほぼ変わらないと説明しています。

(参考)2026 Formula 1 Financial Regulations(F1 Teams)Issue 07 – 国際自動車連盟(FIA)

(参考)EXPLAINED: What is the F1 cost cap and why has it gone up? – Formula 1

Q. F1チームの予算に上限はありますか?

あります。FIAの財務規則は、2026年の上限を2億1,500万ドルと定めています(年24戦以下の場合)。ドライバーへの報酬やマーケティングの費用は、上限の計算から除かれます。

F1の放映権料|世界で約12億ドル・日本は2030年までフジテレビが独占

F1の放映権の収入は、2025年に約12億1,200万ドルでした。売上の31.3%で、収益の柱の1つですが、Jリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)の収益に占める放映権の比率と比べると半分ほどです。F1とJリーグの2025年の数字を並べると次のようになります。

項目 F1(2025年) Jリーグ本体(2025年度)
収益の合計 38億7,300万ドル(約5,810億円) 346億3,000万円
放映権の収入 約12億1,200万ドル(31.3%) 221億8,700万円(64.1%)
スポンサーの収入 約8億4,000万ドル(21.7%) 70億8,900万円(20.5%)
開催料・入場料の収入 約10億3,400万ドル(26.7%) 4億円(1.2%)
チーム・クラブへの支払い 14億ドル(36.1%) 127億3,500万円(36.8%)

出典:Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期)、公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度決算について」をもとに Human Soar 作成。F1の金額は売上に比率を掛けた値。Jリーグの放映権は公衆送信権料収益、入場料はJリーグ主管試合の入場料収益。円は1ドル=150円で換算

世界の放映権は50を超える契約で売られている

F1は2025年に、世界で50を超える放送契約を結んでいました。英国・ドイツ・イタリアのSky、米国と中南米のESPN、フランスのCanal+、アジアと中東のbeIN Sportsなどが主な放送局で、約200の国と地域で中継されています。契約期間は3〜5年が一般的で、期間中に毎年金額が上がるものが多いと報告書は説明しています。

放映権が高く売れる理由やスポーツ全体の契約の流れは、スポーツ放映権ビジネスの仕組みで解説しています。F1の場合は、1社がまとめて世界の権利を管理し、国や地域ごとに売り分けている点が特徴です。

(参考)Liberty Media Corporation Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

日本の放映権は2026年からフジテレビが独占

日本では、フジテレビが2026年から2030年までの5年間、F1の日本国内での放送と配信の権利を独占する契約を結びました(2025年12月5日発表)。全24戦のフリー走行・予選・スプリント・決勝を、CS放送のフジテレビNEXTライブ・プレミアム、インターネットのフジテレビNEXTsmart、動画配信のFODなどでライブ中継します。

地上波では11年ぶりにF1を放送し、2026年は最大5戦をダイジェストで流します。FODはF1公式の配信サービス「F1 TV Pro」「F1 TV Premium」との連携も日本で初めて始めました。国内の放送と配信の権利をフジテレビが独占して持つため、F1をライブで見る手段はフジテレビのサービスにまとまっています。

契約の金額は公表されていません。番組への広告出稿や配信の視聴環境を検討するときは、フジテレビの放送・配信のどの枠でF1が流れるかを先に確かめると進めやすくなります。

あわせて読みたいスポーツ放映権の仕組みと日本市場2026|収益構造を解説›

(参考)フジテレビがF1全戦を独占放送・配信決定!『FORMULA 1®』 – 株式会社フジテレビジョン

Jリーグとの違いは開催料の大きさにある

Jリーグ本体の2025年度の収益は346億3,000万円で、そのうち放映権にあたる公衆送信権料収益が64.1%を占めます。F1の31.3%と比べると、Jリーグは放映権に頼る度合いが2倍ほど高い構造です。

違いを生んでいるのは開催料です。F1は開催地からレースを開く権利の対価を受け取り、それが売上の26.7%になります。Jリーグ本体の入場料収入は、Jリーグが主管する試合の分の4億円で、収益の1.2%にとどまります。一方、参加者へ配る比率はF1が36.1%、Jリーグが36.8%とほぼ同じです。Jリーグの配り方はJリーグの分配金にまとめています。

(参考)2025年度決算について – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)Japanese Yen to U.S. Dollar Spot Exchange Rate(AEXJPUS) – Federal Reserve Bank of St. Louis

Q. 2026年のF1は日本でどこで見られますか?

2026年から2030年までは、フジテレビが日本国内の放送と配信の権利を独占しています。全24戦の全セッションを、CS放送のフジテレビNEXTライブ・プレミアム、インターネットのフジテレビNEXTsmart、動画配信のFODなどでライブ中継し、地上波では最大5戦をダイジェストで放送します。

F1日本グランプリの収益|鈴鹿は2026年に3日間で31万5,000人

鈴鹿サーキットで開くF1日本グランプリは、2026年に3日間で315,000人が来場し、2009年以来の最多となりました。2025年の266,000人より約18%多い数字です。開催の契約は、鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドとF1の間で2029年まで延びています。

鈴鹿サーキットのF1単体の売上や、F1に払う開催料の金額は公表されていません。大会の稼ぎ方を知るには、公表されている来場者数とチケットの価格帯から読むのが現実的です。

(参考)2027 FIA Formula 1 世界選手権シリーズ 日本グランプリレース 開催日程およびスプリントレースの開催について – ホンダモビリティランド株式会社

(参考)Formula 1 to race in Japan until 2029 after new five-year extension – Formula 1

海外からの観戦客は2025年に約8万人

ホンダモビリティランドが経済産業省の研究会に出した資料によると、2025年の来場者は3日間で26.6万人、決勝の日は11.5万人でした。海外からの観戦客は8万人で、2023年の4万人、2024年の5万人から増えています。海外客の国はアメリカが17%、オーストラリアが14%、イギリスが8%でした。

2025年は来場者のおよそ3割が海外からの客だったことになります。スポーツ庁・文化庁・観光庁は、F1日本グランプリを軸にしたホンダモビリティランドの取り組みを「スポーツ文化ツーリズムアワード2025」のスポーツ文化ツーリズム賞に選びました。取り組みには三重県や観光協会と組んだ観戦と観光のパッケージがあり、県内を巡るツアーで地域経済に貢献している点が評価されています。訪日客の観戦の動きは観戦したい訪日客のデータでも紹介しています。

(参考)エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会 第17回 資料10 参考資料(ホンダモビリティランド 古田氏) – 経済産業省

(参考)「スポーツ文化ツーリズムアワード2025」の受賞団体を発表します! – 観光庁

チケットとホスピタリティの価格帯は1.8万円から110万円

同じ資料によると、2025年の観戦券はスタンド席が1.8万〜14.7万円、VIPスイートが70万円、パドッククラブが110万円でした。旅行会社と組んだ観戦ツアーも売られ、宿泊とアクセスを付けた11万〜90万円のツアー約100人分が完売しています。

2027年の大会は4月9日から11日に開き、鈴鹿で初めてスプリントレースを行います。金曜日も土日と同じ指定席にし、これまで売っていなかった場所を使う新しい席と、最終コーナー近くの新しいホスピタリティの場所を設けます。仮設スタンドも増やし、座席の配置を見直します。

あわせて読みたいスポーツホスピタリティとは|企業の使い方と費用・税務の注意点›

(参考)2027 FIA Formula 1 世界選手権シリーズ Lenovo 日本グランプリレース チケット販売について – ホンダモビリティランド株式会社

地元の宿泊・旅行・飲食の事業者が関われる場面

受賞団体の取り組みの概要によると、大会では三重県産の伊勢醤油など地場の食材を使った料理の提供や、県内の日本遺産に関わる施設を巡る特別ツアーが行われました。学生のインターンシップや、小学生がチームと交流する機会もつくられています。

宿泊・旅行・飲食の事業者にとっては、海外からの観戦客を、観戦の前後の観光や食事につなげる場面が入り口になります。大会の経済効果の数字を事業計画に使うときは、誰がどの範囲で計算した数字かを確かめてから使います。読み方はスポーツの経済効果の計算方法にまとめています。

(参考)「スポーツ文化ツーリズムアワード2025」の受賞団体を発表します! – 観光庁

Q. 鈴鹿のF1日本グランプリには何人が来場しますか?

2026年の大会は3日間で315,000人が来場し、2009年以来の最多でした。2025年は266,000人で、そのうち外国人客は約8万人でした。

F1スポンサーの日本企業|3つの関わり方と契約前に確かめる点

日本企業がF1に関わる形は、F1本体やレースのスポンサー、チームのタイトルパートナー、パワーユニットの供給の3つに分かれます。どれもスポンサー料の金額は公表されておらず、F1本体のスポンサー収入の合計(2025年に約8億4,000万ドル)が分かる範囲の目安です。

レースの冠とグローバルパートナー

F1本体は、各レースの冠、コース脇の看板、グローバルパートナーや公式サプライヤーの権利を販売しています。鈴鹿の日本グランプリも冠が付き、2026年は「Aramco 日本グランプリレース」、2027年は「Lenovo 日本グランプリレース」の名前で開かれます。

F1本体との契約は3〜5年が一般的で、毎年決まった額や割合、物価の指数に合わせて支払いが増えることが多いと報告書は説明しています。契約前には、初年度の金額だけでなく、最終年までの支払いの増え方を確かめます。

(参考)世界180カ国以上が目撃する、F1日本グランプリ決勝 YOSHIKIによる国歌演奏が決定! – ホンダモビリティランド株式会社

(参考)2027 FIA Formula 1 世界選手権シリーズ Lenovo 日本グランプリレース チケット販売について – ホンダモビリティランド株式会社

チームのタイトルパートナーはトヨタがハースと組んだ

トヨタのTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2026年からハースF1チームのタイトルパートナーになり、チーム名は「TGR Haas F1 Team」に変わりました(2025年12月4日発表)。両者は2024年10月に技術面での複数年の提携を結んでいて、それを広げた形です。

チームと契約するときは、ロゴの位置や露出の量に加えて、どこまでがチームの売る権利なのかを契約書で確かめます。F1本体やサーキットが売る権利とは別だからです。モータースポーツ全般の協賛の区分と料金の例は、下の記事で紹介しています。

あわせて読みたいモータースポーツのスポンサー|企業の協賛先4層と公開料金›

(参考)TOYOTA GAZOO Racing Set for Title Partnership with Haas F1 Team in 2026 – Haas F1 Team

パワーユニットの供給はホンダがアストンマーティンと組む

ホンダは2026年からF1に参戦し、アストンマーティンのチームにパワーユニットを供給するワークス契約を結びました(2023年5月24日発表)。開発とレースの運営は、ホンダのモータースポーツ活動を担うホンダ・レーシング(HRC)が行います。ホンダは参戦の理由として、2026年からの新しい規則が自社の電動化とカーボンニュートラルの方向に合うことを挙げています。

技術で関わる場合は、広告の露出よりも研究開発への効果が目的になります。どの目的で関わるにしても、F1のロゴや「FORMULA 1」などの名称はF1の会社の商標なので、広告や販促で使える範囲を契約で確かめておきます。スポーツ業界が抱える課題の全体像は日本スポーツ業界の課題で整理しています。

(参考)FIAフォーミュラ・ワン世界選手権への参戦について – 本田技研工業株式会社

(参考)フジテレビがF1全戦を独占放送・配信決定!『FORMULA 1®』 – 株式会社フジテレビジョン

F1の収益と放映権のまとめ

F1の収益は、開催地・放送局・スポンサーの3方向から入り、その一部が賞金としてチームへ戻る仕組みです。数字の出典は本文の各セクションに記載しています。

  • 2025年の売上は38億7,300万ドル(約5,810億円)で、放映権31.3%・開催料26.7%・スポンサー21.7%
  • 売上は2022年から3年で約1.5倍になり、スポンサーの比率が最も伸びた
  • チームへの支払いは売上の36%前後で、2025年は1チーム平均約1.4億ドル。チームの支出は2026年から上限2億1,500万ドル
  • 日本の放映権は2026〜2030年にフジテレビが独占し、鈴鹿の日本グランプリは2026年に31万5,000人が来場
  • 日本企業の関わり方は冠・チーム・技術の3つで、契約前に支払いの増え方と権利の範囲を確かめる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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