オリンピックの費用の内訳|東京大会1兆4,238億円を3者で負担

オリンピックの費用の内訳|東京大会1兆4,238億円を3者で負担 スポーツビジネス

東京2020大会(オリンピック・パラリンピック)の費用は、組織委員会が2022年6月に公表した大会経費の最終報告で1兆4,238億円です。内訳は会場関係が8,649億円、大会の運営などの大会関係が5,236億円、新型コロナ対策関連が353億円で、負担は組織委員会6,404億円、東京都5,965億円、国1,869億円でした。収入の側を見ると、組織委員会の収入6,404億円のうち国内スポンサーの協賛金が3,761億円と約6割を占めています。

ニュースでは「1兆4,238億円」「1兆6,989億円」「7,340億円」と、同じ大会の費用として違う金額が並びます。どれが正しいのかではなく、どこまでを数えた金額なのかで差が生まれています。公表資料をもとに、費用と収入の内訳、数え方の違い、スポンサー企業が払ったお金の位置づけを順に整理します。

  1. オリンピックの費用の内訳|東京大会は会場関係が8,649億円
    1. 会場関係|恒久施設と仮設で費用の約半分
    2. 大会関係|運営とマーケティングは組織委員会が負担
  2. 東京オリンピックの費用は誰が払ったか|東京都と国で7,834億円
    1. 組織委員会の6,404億円はスポンサーやIOCからの収入でまかなった
    2. 東京都の5,965億円は会場の整備と仮設が中心
    3. 国の1,869億円は国立競技場とパラリンピックとコロナ対策
  3. 1兆6,989億円との違い|大会経費と総経費と関連経費の数え方
    1. 大会経費|組織委員会が数えた1兆4,238億円
    2. 大会の総経費|会計検査院が数えた1兆6,989億円余り
    3. 大会関連経費|東京都6,854億円と国1兆3,002億円は別の財布
  4. オリンピックの収入の内訳|組織委員会の約6割は国内スポンサー
    1. スポンサー企業が払ったお金は組織委員会の最大の収入
    2. チケット売上は900億円の見込みが4億円
    3. 儲かった人がいるかは収支と支払い先で分けて見る
  5. 東京大会の費用の見積もりは7,340億円から1兆6,440億円まで動いた
  6. 大会の費用の数字を企業が読むときの4つの確認点
    1. 誰の負担の数字か|協賛金が入るのは組織委員会
    2. どこまで含めた数字か|大会経費と関連経費を混ぜない
    3. いつの数字か|立候補時・予算・最終報告を区別する
    4. 収入を何に頼っているか|スポンサー比率と見込みの崩れ
  7. オリンピックの費用の内訳のまとめ

オリンピックの費用の内訳|東京大会は会場関係が8,649億円

東京大会の大会経費1兆4,238億円は、会場関係・大会関係・新型コロナ対策関連の3区分に分かれています。項目ごとに、誰がいくら負担したかを並べると次のとおりです。構成比は大会経費の合計に対する割合を計算した値です。

項目 主な内容 組織委員会(億円) 東京都(億円) 国(億円) 計(億円) 構成比
恒久施設 新国立競技場などの整備 — 2,252 1,240 3,491 24.5%
仮設等 仮設の施工・撤去、会場の使用料 1,043 2,161 182 3,386 23.8%
エネルギーインフラ 仮設の電源設備の整備・撤去 162 413 42 616 4.3%
テクノロジー 大会運営のシステム、通信インフラ 750 362 44 1,156 8.1%
輸送 大会関係者の輸送車両の調達・運行 347 147 22 517 3.6%
セキュリティ 映像監視システムなどの整備 263 444 24 731 5.1%
オペレーション 会場運営、選手村の運営、開閉会式 1,576 83 64 1,723 12.1%
管理・広報 人件費、オフィス賃料 767 1 1 769 5.4%
マーケティング 収入に連動する経費(ロイヤルティ等)、チケット販売システム 1,299 0 0 1,299 9.1%
その他 清算の対応 196 — — 196 1.4%
新型コロナ対策関連 検査体制の整備、感染防止の対応 — 103 251 353 2.5%
合計 パラリンピック経費1,514億円を含む 6,404 5,965 1,869 14,238 100%

出典:東京都「大会経費」(2022年6月の大会経費の最終報告)、主な内容は会計検査院の報告書(別図表1-2)をもとに Human Soar 作成。四捨五入のため合計が一致しない箇所があります

(参考)大会経費(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

会場関係|恒久施設と仮設で費用の約半分

会場関係は8,649億円で、大会経費の約60.7%を占めます。このうち新国立競技場などの恒久施設が3,491億円、仮設の施設やオーバーレイ(大会運営に必要なプレハブやテント)の施工・撤去などの仮設等が3,386億円で、2つを合わせると6,877億円、大会経費の約48.3%になります。

恒久施設は東京都が2,252億円、国が1,240億円を負担し、組織委員会の負担はありません。国の1,240億円は国立競技場の整備費用の国の負担分です。大会後も使い続ける施設は自治体と国、大会のためだけに建てて撤去する仮設は組織委員会と東京都が主に負担する形になっています。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

大会関係|運営とマーケティングは組織委員会が負担

大会関係は5,236億円で、会場運営・選手村・開閉会式などのオペレーションが1,723億円と最も大きく、次いでマーケティングが1,299億円、管理・広報が769億円、セキュリティが731億円、輸送が517億円です。マーケティングと管理・広報はほぼ全額、オペレーションも約9割を組織委員会が負担しました。

マーケティングの1,299億円には、収入に連動する経費(ロイヤルティ等)やチケット販売システムの開発・運用が含まれます。協賛や商品化で入るお金があれば、それに伴って出ていくお金もあるという関係です。

(参考)大会経費(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

Q. 東京オリンピックの費用の総額はいくらですか?

組織委員会が2022年6月に公表した大会経費の最終報告では1兆4,238億円です。パラリンピック経費の1,514億円を含み、組織委員会・東京都・国の負担を合わせた額です。会計検査院が国と日本スポーツ振興センターの支出を加えて数えた大会の総経費は、1兆6,989億円余りです。

東京オリンピックの費用は誰が払ったか|東京都と国で7,834億円

大会経費1兆4,238億円の負担は、組織委員会が6,404億円(約45.0%)、東京都が5,965億円(約41.9%)、国が1,869億円(約13.1%)です。東京都と国の負担を足すと7,834億円で、大会経費の約55.0%になります。3者の負担の中身はそれぞれ違います。

(参考)大会経費(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

組織委員会の6,404億円はスポンサーやIOCからの収入でまかなった

組織委員会の負担分は、スポンサー料、IOC(国際オリンピック委員会)からの負担金、保険金などの収入でまかなわれています。収入と支出はともに6,404億円で均衡したとされ、資金不足は生じませんでした。

立候補ファイルでは、組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補塡し、補塡しきれなければ最終的に国が補塡するとされていました。収支が均衡したため、この赤字の補塡は行われていません。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

東京都の5,965億円は会場の整備と仮設が中心

東京都の負担5,965億円のうち、会場関係が5,187億円です。恒久施設2,252億円と仮設等2,161億円が大きく、セキュリティにも444億円を負担しています。東京都が大会前の最後に公表した2021年1月の大会経費7,170億円と比べると、1,205億円少ない額でした。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

国の1,869億円は国立競技場とパラリンピックとコロナ対策

国の負担1,869億円は、国立競技場の整備費用の国の負担分1,240億円、東京都を通じて組織委員会に交付されたパラリンピック交付金379億円、コロナ対策交付金251億円で構成されています。会計検査院によると、この1,869億円には、国費の支出を伴わないスポーツ振興くじの収益による国庫納付金の減少見合いの額も含まれています。

なお、最終報告の大会経費には、2022年度以降の経費の概算額も含まれており、各団体の決算額とは一致しません。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

1兆6,989億円との違い|大会経費と総経費と関連経費の数え方

オリンピックの費用の内訳として、会計検査院が大会の総経費1兆6,989億円余りを組織委員会と東京都の負担、国の負担、JSCの支援から計算した式の図

東京大会の費用として報じられる金額が違うのは、数える範囲が違うからです。組織委員会の大会経費は大会に直接必要な経費だけを数え、会計検査院の大会の総経費は、そこに国と日本スポーツ振興センター(JSC)が大会のために負担した経費を加えています。さらに外側に、大会の成功にも役立つ行政の事業を数えた大会関連経費があります。

大会経費|組織委員会が数えた1兆4,238億円

大会経費は、大会を開催・運営するために直接必要となる経費を、東京都と国の負担分も含めて組織委員会が取りまとめたものです。競技会場の仮設整備、輸送、セキュリティなどの大会運営と、東京都や国による恒久施設の整備が入っています。国の負担分として入っているのは、国立競技場の整備費、パラリンピック経費、コロナ対策経費です。

この線引きは、2017年5月に組織委員会・東京都・国が経費の分担を協議した際に整理されたものです。施設の改修、セキュリティ、ドーピング対策、大会の気運醸成などの行政的経費は、大会経費に含めないこととされました。

(参考)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費 – スポーツ庁

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

大会の総経費|会計検査院が数えた1兆6,989億円余り

会計検査院は2022年12月の報告で、大会のために国が負担した経費を3,641億円余り、JSCによる大会の支援額を1,026億円余りと整理しました。これに組織委員会の負担分6,404億円と東京都の負担分5,965億円(合わせて1兆2,369億円)を足し、重複する48億円余りを除いた1兆6,989億円余りを大会の総経費としています。

大会経費との差の約2,751億円は、選手の競技力の強化やセキュリティ対策などの国の事業、国立競技場以外の施設整備への国庫補助金、組織委員会に派遣した国の職員の人件費などを加えたことで生じています。JSCの支援には、スポーツ振興くじ(toto)の収益を財源にした助成が含まれます。totoの収益が地域のスポーツにどう配られているかはスポーツ振興くじ助成金の使い方で紹介しています。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について(令和4年12月) – 会計検査院

大会関連経費|東京都6,854億円と国1兆3,002億円は別の財布

大会関連経費は、本来の行政目的のために行う事業のうち、大会の成功にも役立つ事業の経費です。東京都の大会関連経費は決算で6,854億円で、輸送インフラやセキュリティ対策などの大会に密接に関わる事業が3,867億円、都市インフラの整備などの大会の成功を支える関連事業が2,987億円です。

会計検査院は、国の各府省が行った大会の関連施策のうち大会関連経費にあたる事業を329事業・1兆3,002億円余りとしています。これらは大会経費にも大会の総経費にも含まれていません。大会の後に残る道路や施設の費用まで足し合わせた金額は、大会そのものの費用とは別物として読む必要があります。大会が地域にもたらす経済効果も費用とは別の物差しで、その読み方はスポーツの経済効果の計算方法で解説しています。

(参考)大会関連経費の決算について – 東京都 財務局

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

Q. 大会経費と大会関連経費の違いは何ですか?

大会経費は大会を開催・運営するために直接必要な経費で、大会関連経費は本来の行政目的で行う事業のうち大会の成功にも役立つ事業の経費です。東京都の大会関連経費は決算で6,854億円で、大会経費の1兆4,238億円には含まれていません。比べるときは、どちらの数え方の数字かを先に確かめます。

オリンピックの収入の内訳|組織委員会の約6割は国内スポンサー

組織委員会の収入6,404億円のうち、国内スポンサーが3,761億円で約58.7%を占めます。延期前の2020年12月に組んだV5予算と最終報告を並べると、スポンサー収入は見込みを上回り、チケット売上はほぼなくなりました。

区分 V5予算(億円) 最終報告(億円) 増減(億円) 最終報告の構成比
国内スポンサー 3,500 3,761 +261 58.7%
IOC負担金 850 868 +18 13.6%
TOPスポンサー 560 569 +9 8.9%
その他 350 559 +209 8.7%
延期に伴う保険金 — 500 +500 7.8%
ライセンシング 140 144 +4 2.2%
チケット売上 900 4 △896 0.1%
増収見込・収支調整額 910 — △910 —
計 7,210 6,404 △806 100%

出典:東京都「組織委員会の収支」(2022年6月)、会計検査院の報告書(図表1-5)をもとに Human Soar 作成。「増収見込・収支調整額」はV5予算の増収見込760億円と収支調整額150億円の合計

(参考)組織委員会の収支(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

スポンサー企業が払ったお金は組織委員会の最大の収入

国内スポンサーの3,761億円にTOPスポンサーの569億円を足すと4,330億円で、組織委員会の収入の約67.6%になります。組織委員会の公式報告書は、オリンピックのパートナーを全81社として、ワールドワイドオリンピックパートナーと、東京2020ゴールドパートナー・オフィシャルパートナー・オフィシャルサポーターの区分に分けて掲載しています。

大会経費全体の1兆4,238億円に対して見ると、国内スポンサーの協賛金は約26.4%です。スポンサー企業は大会からお金を受け取る側ではなく、協賛金を払って組織委員会の運営費を支えた側にあたります。世界規模の契約と開催国の契約に分かれるスポンサーの階層は、サッカーの例をワールドカップのスポンサー22社で紹介しています。

あわせて読みたいルール40とは|スポンサー企業が大会期間中にできること›

(参考)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会公式報告書(14 会場〜23 大会パートナー等) – 東京2020組織委員会

チケット売上は900億円の見込みが4億円

V5予算ではチケット売上を900億円と見込み、組織委員会の収入7,210億円の12.4%を占めていました。2021年3月に海外からの観客の受け入れを断念し、同年7月にオリンピックを原則として無観客で開催すると決めたことで、最終報告のチケット売上は4億円となり、896億円の減収となりました。

この穴を埋めたのが、延期に伴う保険金の500億円と、国内スポンサーの261億円の増収、その他の収入の209億円の増加です。支出も見直し、収入と支出は6,404億円で均衡しました。

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

儲かった人がいるかは収支と支払い先で分けて見る

大会を運営した組織委員会は収支が均衡したとされ、利益も赤字も出ていません。一方で大会経費の1兆4,238億円は、会場の整備、仮設、運営、輸送、警備などの業務への支払いです。費用の内訳は「どの業務にいくら使ったか」を示すもので、どの企業がいくら受け取ったかは大会経費の公表資料には載っていません。

(参考)組織委員会の収支(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

Q. オリンピックで儲かったのは誰ですか?

大会を運営した組織委員会は、収入と支出がともに6,404億円で収支が均衡したとされ、利益も赤字も出ていません。大会経費の1兆4,238億円は、会場の整備や仮設、大会の運営、輸送、警備などの業務に支払われました。どの企業がいくら受け取ったかは、大会経費の公表資料には載っていません。

東京大会の費用の見積もりは7,340億円から1兆6,440億円まで動いた

オリンピックの費用の内訳の推移として、東京大会の立候補ファイル7,340億円からV1予算、V2予算、V5予算、最終報告1兆4,238億円までの変化を示した年表図

東京大会の費用の見積もりは、公表のたびに変わりました。2013年1月の立候補ファイルの試算は7,340億円余りでしたが、IOCの基準に従って計上する経費が指定されており、設計費や仮設施設の原状復旧費用、輸送やセキュリティなど運営の経費の一部が入っていませんでした。

組織委員会は2016年12月に大会予算の全体像としてV1予算を1兆5,000億円と公表し、2017年5月の経費分担の大枠の合意を踏まえ、同年12月のV2予算では1兆3,500億円としました。延期を反映した2020年12月のV5予算は1兆6,440億円で、最終報告の1兆4,238億円はそこから2,202億円少ない額です。減った主な項目は、新型コロナ対策関連(607億円減)、仮設等(504億円減)、輸送(333億円減)でした。

立候補時の7,340億円余りと最終報告の1兆4,238億円を比べると約1.9倍ですが、立候補時の試算は大会経費の全体を試算したものではないため、同じ物差しの比較にはなりません。招致の段階の金額を見るときは、何が入っていない数字なのかを確かめることが欠かせません。

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(参考)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会経費 – スポーツ庁

(参考)東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について 報告書本文(令和4年12月) – 会計検査院

大会の費用の数字を企業が読むときの4つの確認点

国際大会の協賛や受注を検討するとき、大会の費用の数字は事業の大きさを測る材料になります。東京大会の数字から分かるとおり、同じ大会でも数え方で金額が大きく変わるため、次の4点を確かめてから比べます。

確認点 見る資料・項目 東京大会での例
誰の負担の数字か 組織委員会・自治体・国の負担区分 組織委員会6,404億円、東京都5,965億円、国1,869億円
どこまで含めた数字か 経費の定義(大会経費か、関連経費か) 大会経費1兆4,238億円と、大会の総経費1兆6,989億円余り
いつの数字か 立候補時の試算・予算・最終報告のどれか 立候補時7,340億円余り、最終報告1兆4,238億円
収入を何に頼っているか 組織委員会の収入の内訳 国内スポンサーが収入の約58.7%、チケットは4億円

出典:東京都「大会経費」「組織委員会の収支」、会計検査院の報告書(令和4年12月)をもとに Human Soar 作成

誰の負担の数字か|協賛金が入るのは組織委員会

協賛金が入るのは組織委員会で、東京大会では組織委員会の負担は大会経費の約45.0%でした。会場の恒久施設のように自治体や国が負担する部分は、協賛金の使い道とは別の財布です。協賛の対価がどの主体の事業に使われるのかは、負担区分を見ると分かります。

(参考)大会経費(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

どこまで含めた数字か|大会経費と関連経費を混ぜない

大会経費、会計検査院の大会の総経費、自治体の大会関連経費は、数える範囲が違います。異なる大会の費用を比べるときは、同じ定義の数字どうしで並べます。定義が書かれていない金額は、報告書の注記まで確かめてから使います。

いつの数字か|立候補時・予算・最終報告を区別する

東京大会では、立候補時の試算から最終報告まで金額が大きく動きました。開催前の予算の数字は見込みであり、最終報告や決算で確定します。社内の資料に引用するときは、何年何月の公表かを数字と一緒に書いておくと、後で食い違いを説明しやすくなります。

収入を何に頼っているか|スポンサー比率と見込みの崩れ

東京大会では組織委員会の収入の約58.7%を国内スポンサーが占め、チケット売上は900億円の見込みが4億円になりました。収入の見込みが崩れると、残りの収入と支出の見直しで埋めることになります。協賛を検討するときは、延期や中止の際の協賛金の扱いを契約で確かめておくと安心です。手順は協賛金は返金されるかで解説しています。

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(参考)組織委員会の収支(大会経費の最終報告・2022年6月) – 東京都(東京2020組織委員会の公表資料)

Q. スポンサー企業が払ったお金は大会の費用のどれくらいですか?

国内スポンサーの3,761億円は、組織委員会の収入6,404億円の約58.7%、大会経費全体の1兆4,238億円に対しては約26.4%です。世界規模で契約するTOPスポンサーの569億円を足すと4,330億円で、組織委員会の収入の約67.6%になります。

オリンピックの費用の内訳のまとめ

東京大会の費用は、どこまでを数えるかで1兆4,238億円にも1兆6,989億円余りにもなります。数字の出典は本文の各セクションに載せています。スポーツ業界全体のお金の流れと課題は日本スポーツ業界の8つの課題で整理しています。

  • 組織委員会の大会経費の最終報告は1兆4,238億円で、会場関係8,649億円、大会関係5,236億円、新型コロナ対策関連353億円
  • 負担は組織委員会6,404億円、東京都5,965億円、国1,869億円で、東京都と国を合わせると7,834億円
  • 会計検査院は国とJSCの負担を加えて大会の総経費を1兆6,989億円余りとし、自治体や国の大会関連経費はさらに別に数える
  • 組織委員会の収入6,404億円のうち国内スポンサーが3,761億円で約58.7%、チケット売上は無観客開催で4億円
  • 大会の費用の数字は、誰の負担か・どこまで含むか・いつの数字か・収入を何に頼るかの4点で読む

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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