健康イベントの企画例|スポーツ庁アワードの企業事例で解説

健康イベントの企画例|スポーツ庁アワードの企業事例で解説 スポーツウェルビーイング

企業の健康イベントは、歩く、測る、一緒に動くの3種類から選ぶと企画しやすくなります。スポーツ庁のSport in Lifeアワードの受賞企業には、アプリを使った月2回のウォーキングイベントに社員の約81%が参加した例があります。手軽に参加できる形から始め、日常の取り組みにつなげます。

健康経営の担当になり、今年は何かイベントをと言われた。ウォーキングは去年やったし、セミナーは人が集まらなかった。測定会を開くにも機械がない。企画を考えるたびに、同じところで悩む担当者は少なくありません。

この記事では、第5回Sport in Lifeアワードの受賞企業の例をもとに、企画の選び方、参加を増やす工夫、費用と税務、当日までの進め方を整理します。

健康イベントの企画は歩く・測る・一緒に動くの3種類で選ぶ

健康イベントは、スポーツ庁のSport in Lifeアワードの受賞企業の例を見ると3種類に分けられます。分け方は本記事の整理です。

種類 企業の例 内容
歩く アジャイルウェア 自社アプリで月2回の社内ウォーキングイベント
歩く 坂川建設 2016年から続く「健康チャレンジ活動」
測る 松浦造園 定例の体力測定会と、優秀者の年代別の表彰
一緒に動く 川上板金工業所 2025年5月に「1500人みんなのラジオ体操」を開催
一緒に動く アジャイルウェア 週1回の社内トレーニング「ゆるトレ」
一緒に動く 大橋運輸 地域向けのヨガや太極拳の教室を年間72回開催

出典:第5回Sport in Lifeアワードの受賞プロジェクト事例をもとに本記事が作成。

歩くイベントは全員が参加しやすく続けやすい

歩くイベントは道具がいらず、拠点が分かれていても開けます。アジャイルウェアの資料によると、アプリを使った月2回のウォーキングイベントには、62名中50名(約81%)が参加しています。

坂川建設の資料では、令和6年度に1日8,000歩以上のウォーキングを週1回以上した社員の割合は、年間平均で73.9%でした。8,000歩は、厚生労働省のガイドが成人に勧める歩数の目安と同じです。始め方は別の記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい企業のウォーキングイベント事例|健康経営の企画›

(参考)第5回Sport in Lifeアワード 受賞プロジェクト事例 – スポーツ庁

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要) – 厚生労働省

測るイベントは結果が見えるので次の行動につながる

測るイベントは、短い時間で参加でき、自分の数字が分かるのが利点です。松浦造園は定例の体力測定会を開き、優秀だった社員を年代別に表彰しています。島根の特産品のしじみを景品にした健康イベントも開いており、楽しさを入り口にしています。

測定で分かった人に何を勧めるかまで決めておくと、1回で終わりません。同社の資料では、専門家と職人の動作を分析し、職業病を防ぐストレッチ体操を作って毎日続けています。

自社で測定会を開くのが難しければ、外部の場も使えます。茅ヶ崎市は明治安田生命との協定に基づく参加費無料の測定会を、2026年1月に市役所で開きました。

(参考)第5回Sport in Lifeアワード 受賞プロジェクト事例 – スポーツ庁

(参考)明治安田生命保険相互会社が健康測定会を市役所で開催(2025年12月22日) – 茅ヶ崎市

一緒に動くイベントは運動が苦手な人の入口になる

体操や教室は、運動の習慣がない人も誘いやすい企画です。川上板金工業所は毎朝のラジオ体操を2007年から続け、地域の人も招く行事に広げました。ふだんの活動があると、年に1度のイベントが単発で終わりません。運動会の企画は社内運動会、体操はラジオ体操の記事が参考になります。

(参考)第5回Sport in Lifeアワード 受賞プロジェクト事例 – スポーツ庁

Q. 会社の健康イベントにはどんな例がありますか?

ウォーキングイベント、体力測定会、血管年齢などの測定会、ラジオ体操、ヨガや筋トレの教室などがあります。第5回Sport in Lifeアワードの受賞企業には、アプリを使ったウォーキングや、定例の体力測定会の例があります。参加のしやすさで選ぶと始めやすくなります。

参加を増やすなら手軽さと楽しさを組み合わせる

受賞企業の例からは、参加しやすい形と、続ける理由をつくる工夫が見えてきます。数字は1社の例なので、自社の目安を決めるときの参考にとどめてください。

手軽な形は参加率が高くなりやすい

アジャイルウェアでは、アプリの月2回のウォーキングイベントの参加が約81%、週1回の社内トレーニングの参加は毎回約15名(約24%)でした。同じ会社でも、好きな場所でできる形と、時間を合わせて集まる形では参加の数字が違います。まずは手軽な企画で多くの人に参加してもらい、集まる企画は希望者向けと考えるとよさそうです。

(参考)第5回Sport in Lifeアワード 受賞プロジェクト事例 – スポーツ庁

現場の困りごとから始めると自分のことになる

松浦造園は、「腰痛や肩痛は職業病だから仕方がない」という認識を出発点に、社員と専門家で体操を作りました。現場の職員が体操のモデルを務めるなど、社員が関わる仕組みです。上から頼むより、職場の困りごとから企画すると参加の理由が伝わります。

(参考)第5回Sport in Lifeアワード 受賞プロジェクト事例 – スポーツ庁

企画は目的から選んで2か月前から準備する

課題からイベントを選ぶ|健康イベント

企画は、やりたいイベントからではなく、会社の課題から選びます。健診で運動不足が目立つなら歩く企画、関心が低いなら測る企画、部署の交流も狙うなら一緒に動く企画が合います。組み合わせは本記事の提案です。

参加率の目標と案内の方法を先に決める

目標は参加人数より参加率で決めると、拠点や規模が違っても比べられます。チラシや社内メールでは、所要時間、服装、勤務時間内かどうかを最初に書きます。管理職が先に参加を表明すると、部下も参加しやすくなります。ヨガや運動指導はフィットネスの福利厚生の記事も参考になります。

測定機器は無料の貸出や測定会を先に調べる

測定機器を買わなくても済む場合があります。協会けんぽ和歌山支部は、登録した事業所に血管年齢測定器、ベジチェック、血圧計と体組成計などを無料で貸し出しています。保険会社が測定会を開いている地域もあります。条件は地域で違うので、加入先や自治体に確かめます。

(参考)健康づくり支援の貸出 – 全国健康保険協会 和歌山支部

Q. 健康イベントの測定機器はどこで借りられますか?

協会けんぽの支部や自治体が事業所に貸し出している場合があります。たとえば和歌山支部は、登録事業所に血管年齢測定器などを無料で貸し出しています。条件は地域で異なるので、加入している支部や自治体の健康づくりの窓口に問い合わせてください。

費用は全社員が対象の行事なら福利厚生費として考えられる

健康イベントの費用は、社員全体のための行事なら福利厚生費として扱える場合があります。国税庁は、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用は交際費等から除かれ、福利厚生費などとされると説明しています。

一部の社員だけが対象だったり、取引先を招いたりすると扱いが変わることがあります。参加しなかった人に現金を渡す形も避けます。社員旅行の例ですが、国税庁は私用で不参加の人に金銭を支給すると、全員に給与の支給があったものとされると説明しています。実際の処理は税理士に確認してください。

(参考)No.5261 交際費等と福利厚生費との区分 – 国税庁

(参考)No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行 – 国税庁

続けるなら年間の計画に入れて数字を残す

年間の計画に入れて続ける|健康イベント

健康イベントは、単発より年間の予定に組み込むと効果を説明しやすくなります。参加率と、始める前後の歩数や測定値を残します。図の流れは本記事の提案です。

記録は、健康優良企業や健康経営優良法人の申請資料にも使えます。施策全体はウェルビーイングの施策の考え方で説明しています。

あわせて読みたい健康経営優良法人のスポーツ取組事例と導入ポイント›

Q. 健康イベントの参加率を上げるにはどうすればよいですか?

好きな場所で参加できる形にする、チームで参加できるようにする、管理職が先に参加する、といった工夫が考えられます。アジャイルウェアの例では、アプリのウォーキングイベントに社員の約81%が参加しました。まず参加しやすさを整えてください。

健康イベントの要点

  • 企画は歩く、測る、一緒に動くの3種類から選ぶ
  • 手軽に参加できる形から始める
  • 職場の困りごとから企画すると参加の理由が伝わる
  • 測定機器は無料の貸出や測定会を先に調べる
  • 費用の扱いは対象者で変わるので経理と確かめる

まずは健診の結果を見て一番の課題を1つ決め、3種類のどれから始めるかを選んでみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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