MLB(メジャーリーグ)と日本企業の契約は、リーグと結ぶもの、球団と結ぶもの、特定の試合だけを対象にするものの3つに分かれ、選手の起用はさらに別の契約になります。MLBの日本語版サイトに載る日本国内のオフィシャルパートナー25社のうち19社が日本企業で、ドジャースは2024年以降、ANAや興和、ユニクロなど日本企業と相次いで契約を結んでいます。一方で、スポンサー料を公表した例はなく、球団別の収入ランキングも公式のデータでは作れません。契約の相手によって使える地域とロゴが変わるため、相手を決めてから権利の範囲と費用を確かめる順番が大切です。
大谷翔平選手や山本由伸選手の活躍で、MLBの中継を見ていると日本企業の看板が目に入る機会が増えました。ところが、球場の看板に社名が出ている企業がリーグと契約しているのか、球団と契約しているのか、ある試合だけ協賛したのかは、画面を見ただけでは分かりません。ここでは公式に発表された契約を種類ごとに並べ、日本企業がMLBと組むときに確かめる点をまとめます。
MLBの日本国内オフィシャルパートナーは25社でうち日本企業が19社
リーグ全体と契約している企業は、MLBの日本語版サイトの「MLBの日本国内におけるオフィシャルパートナー」というページで確かめられます。2026年10月20日時点のページは「2025年シーズン」の一覧で、25社が載っています。業種ごとにまとめると次のとおりです。
| 業種 | 企業(ページの表記をもとに記載) | 数 |
|---|---|---|
| 飲料・食品 | アサヒビール、伊藤園 | 2社 |
| 小売 | セブン‐イレブン | 1社 |
| 旅行・航空・物流 | JAL、JTB、NXグループ(日本通運) | 3社 |
| 医薬品・日用品 | アース製薬、興和(バンテリン)、佐藤製薬(ユンケル) | 3社 |
| 人材・不動産・自動車流通 | ディップ、サムティ、IDOM | 3社 |
| IT・コンサルティング・金融 | SCSK、デロイト トーマツ グループ、ビットバンク | 3社 |
| スポーツ用品・時計・エンタメ | ミズノ、セイコーウオッチ、KONAMI(eBaseball: MLB PRO SPIRIT)、ローソンエンタテインメント | 4社 |
| 海外の企業・団体 | Brand USA(Go USA)、Google Cloud、MGM Resorts、ニューバランス、PRIME、Zoom Workplace | 6社 |
出典:MLB「MLBの日本国内におけるオフィシャルパートナー」(2025年シーズン、2026年10月20日確認)をもとに Human Soar 作成。日本企業は日本に本社を置く企業とその日本法人
旅行・航空・物流と医薬品・日用品、人材・不動産、IT・金融がそれぞれ3社ずつで、特定の業種に偏っていないのが特徴です。ページの名前どおり、これらは「日本国内」のパートナーで、リーグの権利を日本で使うための契約だと読み取れます。オフィシャルパートナーという呼び名の意味はオフィシャルパートナーの解説で整理しています。
(参考)MLBの日本国内におけるオフィシャルパートナー(2025年シーズン) – MLB Japan
東京シリーズの協賛は22社でうち日本企業が14社
2025年3月18日と19日に東京ドームで開かれたドジャース対カブスの開幕2連戦「MLB東京シリーズ」では、MLBが3月10日の発表で22社の協賛企業を挙げました。このうちセブン‐イレブン・ジャパン、アサヒビール、ディップ、アース製薬、IDOM、伊藤園、JAL、JTB、KONAMI、コーセー、興和、NXグループ、サムティ、SCSKの14社が日本企業です。発表によると、2023年以降に日本で新たに獲得したスポンサーは14社でした。
試合に合わせた契約では、ユニフォームや用具にも社名が入りました。SCSKは日本でMLBを協賛する複数年の契約を結び、両チームが2試合でかぶったヘルメットにSCSKとネットワンシステムズのロゴが入っています。NIPPON EXPRESSホールディングスは、東京シリーズに「オフィシャルロジスティクスプロバイダー」として協賛し、カブスの選手のユニフォームの袖にグループのブランドシンボルを入れると発表しました。球団と1年を通じて結ぶ袖の契約ではなく、この試合への協賛として袖に入った例です。
MLBは、東京シリーズの協賛の規模が2024年のソウルシリーズと比べて240%増え、国際試合として過去最大のスポンサーの場になったとしています。第1戦は日本で平均2,500万人以上が視聴し、セブン‐イレブンは22,000店以上で販促と広告を展開しました。アサヒビールは東京シリーズのデザインの缶を200万本以上つくっています。
(参考)MLB Tokyo Series breaks records for Japan viewership, sales, attendance(2025年3月21日) – MLB.com
2026年はゆうちょ銀行とNXグループが契約を広げた
ゆうちょ銀行は2026年7月13日、MLBとパートナーシップ契約を結び、日本国内におけるMLBのオフィシャルパートナーになったと発表しました。ブランドアンバサダーの大谷翔平選手を中心に、全国2万を超える郵便局と233店舗の直営店で、2026年7月14日からポスターの掲示を始めました。2026年10月20日時点のMLBのパートナー一覧は2025年シーズンのままで、ゆうちょ銀行はまだ載っていません。
2016年からMLBに協賛しているNXグループは、2026年6月8日、MLBのドラフト会議の冠スポンサーに就いたと発表しました。2026年と2027年の2年間、イベントの名前が「2026 MLB Draft presented by NX」のように変わります。日本国内での販促だけでなく、米国で開かれるリーグの行事に社名を付ける契約へ広げた例です。
旅行会社のJTBは、2024年1月25日にMLBと複数年の国際パートナーシップを結んでいます。JTBは各国で開かれる公式戦「ワールドツアー」の公式スポンサーで、米国外のファンに向けて観戦と旅行のパッケージを販売できる立場です。同じリーグとの契約でも、日本国内に限るものと、米国外の複数の国を対象にするものがあります。
(参考)メジャーリーグ・ベースボール(MLB)とのパートナーシップ契約を締結(2026年7月13日) – 株式会社ゆうちょ銀行
(参考)NXグループ、MLBドラフト2026のメインスポンサーに決定(2026年6月8日) – NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社
Q. MLBのスポンサーになっている日本企業はどこですか?
MLBの日本語版サイトにある日本国内のオフィシャルパートナー一覧(2025年シーズン)には25社が載り、そのうち19社が日本企業です。アサヒビール、伊藤園、JAL、JTB、セブン‐イレブンなどが入っています。2026年7月には、ゆうちょ銀行が日本国内のオフィシャルパートナーになったと発表しました。
ドジャースやマリナーズと直接契約した日本企業
球団と直接契約した日本企業は、球団が出すプレスリリースで確かめられます。MLB.comに掲載された球団の発表から、日本企業との契約を日付順に並べました。
| 球団 | 企業 | 発表日 | 発表された主な権利 |
|---|---|---|---|
| ドジャース | ANA | 2024年4月1日 | 本塁後方と外野フェンスの看板、取材時の背景ボード、キャンプ地の看板 |
| ドジャース | トーヨータイヤ | 2024年4月5日 | 取材時の背景ボード、本塁後方などの看板、大谷翔平選手のシャツ配布 |
| ドジャース | 興和 | 2024年4月8日 | 本塁後方とキャンプ地の看板、大谷翔平選手の帽子配布 |
| ドジャース | 大創産業(DAISO) | 2024年4月22日 | 取材時の背景ボード、本塁後方とキャンプ地の看板、ボブルヘッド人形の配布 |
| ドジャース | 木下グループ | 2024年5月2日 | 本塁後方の看板、場内のLEDリボンボード |
| ドジャース | THK | 2024年5月9日 | 場内のLED看板 |
| ドジャース | ヤクルト | 2024年5月16日 | 外野フェンスと左翼席上の看板、場内での試供品配布 |
| ドジャース | JTB | 2025年3月26日 | 日本語の球場ツアーの協賛、ホテルからのシャトルバス |
| ドジャース | コーセー | 2025年5月30日(延長) | 大型ビジョンの広告、場内での商品販売、トレーディングカード配布 |
| ドジャース | ユニクロ | 2026年3月26日 | 「UNIQLO Field at Dodger Stadium」の名称表示 |
| マリナーズ | 任天堂の米国法人 | 2025年3月20日 | 球団初のユニフォームの袖のパッチ |
出典:ロサンゼルス・ドジャース、シアトル・マリナーズの各プレスリリース(MLB.com掲載、2024年4月〜2026年3月)をもとに Human Soar 作成
ドジャースとの契約は、2024年の4月から5月に集中しています。発表された権利の多くは、本塁後方の看板や取材時の背景ボードのように、中継の画面に映りやすい場所です。
(参考)Los Angeles Dodgers and THK announce partnership agreement(2024年5月9日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and Yakult enter multi-year partnership(2024年5月16日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and Kosé Extend Multi-Year Partnership(2025年5月30日) – MLB.com
ドジャースの契約は球場の看板と配布の試合が中心
ANAはドジャースの「オフィシャル・ジャパニーズ・エアライン・パートナー」になり、本塁後方と外野フェンス、キャンプ地のアリゾナ州キャメルバック・ランチに看板を出しています。ドジャースは発表の中で、球場に来る400万人以上のファンと、自宅で見る数百万人に届くと説明しました。興和やトーヨータイヤ、大創産業は、大谷翔平選手の帽子やシャツ、ボブルヘッド人形を配る試合の協賛も手にしています。
JTBの契約は看板ではなく、日本から訪れるファン向けの体験が中心です。日本語の球場ツアーを協賛し、ロサンゼルスの主なホテルと球場を結ぶシャトルバスを運行します。ユニクロは2026年3月26日、球場内に「UNIQLO Field at Dodger Stadium」と表示する契約を結びました。球場名のドジャー・スタジアムは残したまま、グラウンドにユニクロの名前を冠する表示です。
(参考)Los Angeles Dodgers and All Nippon Airways announce multi-year partnership(2024年4月1日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and Toyo Tires Agree to Multi-year Partnership(2024年4月5日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and Kowa announce multi-year partnership(2024年4月8日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and DAISO enter into multi-year partnership(2024年4月22日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and travel company JTB announce multiyear agreement(2025年3月26日) – MLB.com
(参考)Dodgers and UNIQLO announce historic partnership(2026年3月26日) – MLB.com
マリナーズは任天堂の米国法人が初めて袖に入った
シアトル・マリナーズは2025年3月20日、任天堂の米国法人Nintendo of Americaを球団初のユニフォームの袖のパートナーにしたと発表しました。公式戦とポストシーズンの全試合で袖に入り、ホームとビジターで違うマークを付けるのはMLBで初めてです。袖の広告の仕組みと他の日本企業の例は袖スポンサーの記事にまとめています。
球団の袖のパッチは、その球団の公式戦を通じて露出が続く権利です。東京シリーズのNXグループのように、特定の試合だけ袖に入る契約とは期間も相手も違います。
MLBと組む契約の相手はリーグと球団と選手で分かれる

MLBと組む方法は、選手個人を含めると契約の相手で4つに分かれます。リーグと結べば日本国内でMLBのロゴを使った販促ができ、試合と結べば東京シリーズのようにその試合だけの露出が手に入ります。球団と結べば本拠地の球場での看板や販促、選手個人と結べば広告への起用ができますが、どれか1つの契約で全部がそろうわけではありません。
リーグとの契約は日本国内でMLBのロゴを使う販促に向く
ゆうちょ銀行のポスターには、ドジャースのユニフォーム姿の大谷翔平選手が写っています。発表資料には、MLBの商標と著作権はMLBの許可に基づいて使っていると書かれています。登録された商標を広告に付けることは商標法で「使用」にあたるため、リーグや球団のロゴを使うときは権利者の許可が前提になります。
アサヒビールが東京シリーズのデザインの缶をつくり、セブン‐イレブンが22,000店以上で販促を展開できたのも、リーグとの契約があったからです。日本の店頭や商品でMLBの名前やロゴを見せたい企業にとっては、リーグとの契約が入り口になります。
(参考)メジャーリーグ・ベースボール(MLB)とのパートナーシップ契約を締結(2026年7月13日) – 株式会社ゆうちょ銀行
(参考)商標法(昭和三十四年法律第百二十七号) – e-Gov法令検索
球団との契約は本拠地の球場と地域での露出が中心
アトランタ・ブレーブスの親会社が米国証券取引委員会(SEC)に出した年次報告書は、球団のスポンサーについて、本拠地の球場、隣接する複合施設、球団の「ホームマーケティング地域」での広告や販促の機会を提供すると説明しています。球団の名前とロゴを使えるのも、その地域での販促だとしています。球団と契約しても、日本での広告にそのまま使えるとは限らないということです。
ドジャースと契約した日本企業の発表も、権利の中身は球場内の看板や配布の試合が中心でした。中継を通じて日本のファンの目に触れても、契約で得た権利の場所はあくまで米国の球場です。日本の広告で球団のロゴを使いたい場合は、使える地域を契約書で確かめます。
(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)
選手の肖像は球団やリーグとは別に選手側の許諾が要る
MLB選手会は、複数の選手が関わる場合に、現役選手の名前や背番号、肖像などを商品や広告に使う権利を、世界中で独占的に扱っています。3人以上の選手を1つの商品に使う場合や、3人以上の選手を使って商品の販促をする場合などが対象です。1人の選手の起用は、大谷翔平選手と企業の契約のように、選手本人との個人契約として発表されています。
ゆうちょ銀行が大谷翔平選手をブランドアンバサダーにしながらMLBとも契約したように、選手の起用とリーグの権利は別々に手当てします。選手個人のスポンサー契約は大谷翔平のスポンサー企業一覧で、選手の起用にかかる料金の考え方は肖像権の使用料の解説で扱っています。
(参考)Frequently Asked Questions(What is group licensing?) – MLB Players Association
Q. ドジャースと契約すれば日本で大谷翔平選手の写真を広告に使えますか?
球団との契約だけで、選手個人の写真を自由に使えるとは限りません。発表されている球団との契約の中身は、球場の看板や販促の試合が中心です。選手の名前や写真を使うには、選手本人との契約や、3人以上なら選手会の許諾が別に必要になる場合があるので、契約前に権利の範囲を書面で確かめます。
同じ業界でもリーグと組む企業と球団と組む企業に分かれる

MLBの日本国内のパートナー一覧とドジャースの発表を突き合わせると、両方に名前があるのは興和とJTBの2社です。ほかの企業はどちらか一方と契約しており、同じ業界でも選んだ相手が違う例があります。何を見せたいかで、組む相手が変わることが分かります。
航空ではJALがリーグとANAがドジャースと組んだ
JALはMLBの日本国内のオフィシャルパートナーで、東京シリーズでは大谷翔平選手とMLBのロゴを機体に描いた特別塗装機を飛ばしました。MLBによると、観戦チケットが当たる企画には27万人以上が応募しています。一方のANAはドジャースと契約し、球場の看板や取材時の背景ボードに社名を出しています。ANAの社長は発表の中で、米国と日本のファンをつなぎたいと話しています。
JALの契約は日本国内でリーグ全体の名前を使える形で、ANAの契約は1つの球団と深く結びつく形です。どちらがよいかではなく、日本の顧客に向けて広く訴えたいのか、球場に来る人や中継を見る人に社名を見せたいのかで選び方が変わります。
(参考)MLB Tokyo Series breaks records for Japan viewership, sales, attendance(2025年3月21日) – MLB.com
(参考)Los Angeles Dodgers and All Nippon Airways announce multi-year partnership(2024年4月1日) – MLB.com
興和とJTBはリーグと球団の両方と契約している
興和は、MLBの日本国内のパートナー一覧に載り、東京シリーズも協賛しました。そのうえで2024年4月8日にドジャースと複数年契約を結び、ドジャースの「日本の外用鎮痛剤の公式製品」になっています。JTBも、リーグとはワールドツアーの公式スポンサー、ドジャースとは日本の旅行の公式パートナーと、2つの契約を使い分けています。
日本国内での販促はリーグの権利で、米国の球場での露出は球団の権利で、と役割を分けている形です。大会と代表チームの契約を別々に持つ企業が多いことは、WBCのスポンサー一覧でも同じでした。
あわせて読みたいスポーツスポンサーになるメリット|企業が得るものと協賛先の選び方›
(参考)Los Angeles Dodgers and Kowa announce multi-year partnership(2024年4月8日) – MLB.com
(参考)MLBの日本国内におけるオフィシャルパートナー(2025年シーズン) – MLB Japan
MLBのスポンサー料は非公表|ブレーブスの開示で収入の内訳を見る
ここまでに挙げたMLBや球団、日本企業の公式発表には、いずれも契約金額が書かれていません。球団ごとの収入も公式には公表されておらず、収入ランキングを公式のデータで作ることはできません。数少ない手がかりが、親会社がナスダックに上場しているアトランタ・ブレーブスの年次報告書です。
| 収入の区分 | 2025年 | 2024年 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|---|
| 入場料・売店・スポンサー・特別席など | 約3億5,785万ドル | 約3億4,793万ドル | 56.3% |
| 放映権 | 約1億8,859万ドル | 約1億6,609万ドル | 29.7% |
| グッズ・ライセンス | 約4,649万ドル | 約4,775万ドル | 7.3% |
| その他 | 約4,214万ドル | 約3,366万ドル | 6.6% |
| 野球事業の合計 | 約6億3,506万ドル | 約5億9,543万ドル | 100% |
出典:Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期)の野球事業の収入をもとに Human Soar 作成。千ドル単位の値を万ドル単位にし、構成比は計算した値
ブレーブスの2025年の野球事業の収入は約6億3,506万ドルで、前の年より約3,963万ドル増えました。スポンサー収入は単独では示されておらず、入場料や売店、特別席と合わせた区分に入っています。この区分が野球事業の収入の56.3%を占めると計算できます。
スポンサー収入は入場料などと合わせて開示されている
年次報告書によると、ブレーブスのスポンサー契約は球場の看板などの権利を毎シーズン提供するもので、複数年の契約には毎年の値上げが入ることがあります。2025年に入場料などの区分が約992万ドル増えた理由として、シーズンチケットと既存のスポンサー契約の値上げ、新しい特別席とスポンサーの契約が挙げられています。
複数年契約に値上げの条項が入りうることは、日本企業が見積もりを受け取るときにも確かめたい点です。初年度の金額だけでなく、2年目以降の金額の決め方を契約前に聞いておきます。
(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)
金額の目安は日本の公表料金と社内の目的から考える
MLBの金額が公表されていない以上、社内で予算を説明するときは、公表されている国内の料金と比べながら、何に払うのかを分けて考えます。国内のクラブが公表している料金はスポーツスポンサー料の相場にまとめています。
見積もりを受け取ったら、看板、配布の試合、ロゴの使用、選手の起用がそれぞれいくらなのかを分けて聞くと、社内での比較がしやすくなります。中身ごとの金額を聞いておけば、翌年に一部だけ続けるといった判断もできます。
Q. MLBのスポンサー料はいくらですか?
公式に公表された金額はありません。MLBや球団、契約した日本企業の発表文には、契約期間や権利の中身は書かれていても、金額は書かれていません。上場している親会社を持つブレーブスの年次報告書でも、スポンサー収入は入場料などと合わせた金額で示されています。
日本企業がMLBと組む前に確かめる5つの点
ここまでの公式発表から、契約の前に確かめておきたい点を5つにまとめます。スポンサー契約書に入れる項目の全体像はスポーツスポンサー契約の解説で扱っています。
契約の相手がリーグか球団か試合か
最初に、契約書の相手方がMLBなのか、球団なのか、東京シリーズのような特定の試合なのかを確かめます。東京シリーズでカブスの袖にNXグループのシンボルが入ったように、球団のユニフォームに社名が出ていても、試合への協賛として入っている場合があります。社内の稟議書にも、相手方の名前を正確に書きます。
権利が使える地域と期間
MLBの日本国内のパートナーは日本での権利、JTBの国際パートナーシップは米国外の複数の国での権利と、契約によって地域が違います。球団の権利は本拠地の地域が中心です。日本の店頭、日本語のWebサイト、海外の拠点のどこで使いたいのかを書き出し、契約の範囲と照らし合わせます。
露出の場所はユニフォームか看板か中継か
露出の場所は、袖のパッチ、ヘルメット、本塁後方の看板、外野フェンス、大型ビジョン、取材時の背景ボードなどに分かれます。中継で日本に届けたいなら、どの場所が中継の画面に映るのか、日本の中継でも同じ看板が映るのかを、相手に確かめます。
日本国内での選手の肖像の扱い
リーグや球団と契約しても、選手の写真や名前を自由に使えるとは限りません。1人の選手なら本人との契約、3人以上なら選手会の許諾が必要になる場合があります。誰のどんな写真を、どの媒体に、いつまで使うのかを決めてから、それぞれの権利者に確認します。
費用の内訳と公表の可否
ここで挙げた契約はどれも金額を公表していないので、社外に向けて何を発表してよいかも契約で決めておきます。契約金額のほかに、看板の制作費、日本での広告費、招待や旅行の費用もかかります。総額で予算を組み、翌年以降の値上げの有無も確かめておきます。
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Q. MLBと組むとき最初に何を確かめればよいですか?
最初に、契約の相手がリーグなのか球団なのか、それとも特定の試合なのかを確かめます。相手によって、使える地域、ロゴの種類、露出の場所が変わるからです。そのうえで、選手の肖像を使うのか、契約期間と費用の扱いをどうするのかを社内で決めておきます。
MLBのスポンサーのまとめ
MLBと日本企業の契約は、相手と地域によって中身が変わります。数値と一覧の出典は本文の各セクションに記載しています。スポンサーの種類と仕組みの全体像はスポーツスポンサーとはにまとめています。
- MLBの日本国内のオフィシャルパートナーは25社(2025年シーズン)で、うち19社が日本企業
- 2025年の東京シリーズは協賛22社のうち14社が日本企業で、試合への協賛でもユニフォームやヘルメットに社名が入った
- ドジャースはANA、興和、ヤクルト、ユニクロなど日本企業と相次いで契約し、権利は球場の看板や配布の試合が中心
- スポンサー料と球団別の収入は公表されておらず、ブレーブスの年次報告書でもスポンサー収入は単独で示されていない
- 契約の相手、使える地域、露出の場所、選手の肖像、費用の内訳の5点を契約前に確かめる
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