Jリーグの赤字クラブ一覧2025|54クラブ中18が最終赤字

Jリーグの赤字クラブ一覧2025|54クラブ中18が最終赤字 スポーツビジネス

Jリーグで2025年度に赤字だったクラブは、決算が出た54クラブのうち18クラブです。当期純損失(最終赤字)が最も大きいのはヴィッセル神戸の7億3,400万円で、決算が出たクラブに債務超過は1つもありませんでした。赤字のクラブの数は2023年度の26、2024年度の23から減っています。

協賛しているクラブや、取引を検討しているクラブの決算に「赤字」の文字が並んでいると、この先も付き合って大丈夫なのかが気になります。ただ、赤字といっても本業で出たものか一時的な費用で出たものか、資本にどれだけ余力があるかで、意味はまったく違います。ここではJリーグが公表した3年分のクラブ決算一覧をもとに、赤字のクラブの一覧とランキング、赤字が生まれる型、企業が決算を読むときの確認点を整理します。

Jリーグの赤字クラブは2025年度に18|決算が出た54クラブの3分の1

2025年度に最終赤字だったクラブは18で、決算が出た54クラブのちょうど3分の1です。カテゴリー別ではJ1が19クラブ中5、J2が19クラブ中4、J3が16クラブ中9で、J3は半分以上が赤字でした。

年度 J1 J2 J3 合計 債務超過のクラブ
2023年度 6/18 6/22 14/20 26/60 7
2024年度 5/20 6/20 12/20 23/60 4
2025年度 5/19 4/19 9/16 18/54 0

出典:Jリーグ「クラブ決算一覧」2023年度・2024年度・2025年度をもとに Human Soar 作成。「5/19」は決算が載っているクラブ19のうち当期純損失が5という意味。カテゴリーはその年度の所属。2025年度は6月決算の6クラブが未掲載で、川崎フロンターレは12か月の決算(2026年1月期)で数えた

3年の流れで見ると、赤字のクラブは2023年度の26から2024年度は23、2025年度は18と減ってきました。割合にすると、43.3%、38.3%、33.3%と計算できます。債務超過のクラブも7から4、そして0になりました。

カテゴリーごとの当期純利益の合計では、J1とJ2は3年とも黒字でした。一方でJ3の合計は、2023年度が−21億4,100万円、2024年度が−12億2,000万円、2025年度が−4億5,400万円と、3年続けて赤字です。赤字の幅は小さくなっていますが、J3の16クラブの売上高は合計141億600万円で、1クラブあたりに直すと約8億8,200万円と計算できます。

なお、2025年度の一覧には、6月決算の湘南ベルマーレ・北海道コンサドーレ札幌・ガイナーレ鳥取・カマタマーレ讃岐・高知ユナイテッドSC・ギラヴァンツ北九州の6クラブがまだ載っていません。Jリーグは2025年度の決算を、5月に先行して53クラブ、7月に3月決算のクラブ、10月に6月決算のクラブを含めて段階的に公表する予定だと説明しています。2026年10月24日時点で公開されている一覧は7月24日現在のもので、6クラブの数字が加われば赤字のクラブの数は変わる可能性があります。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2024年度クラブ決算一覧(2025年7月29日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2023年度クラブ決算一覧(2024年7月30日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2025年度クラブ経営情報開示資料(2026年5月26日、7月24日更新) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Q. Jリーグで赤字のクラブはいくつありますか?

2025年度の決算が出た54クラブのうち、当期純損失(最終赤字)だったのは18クラブです。内訳はJ1が5、J2が4、J3が9クラブでした。6月決算の6クラブは、2026年7月24日現在の決算一覧にはまだ載っていません。

Jリーグの赤字ランキング2025|最終赤字が最も大きいのは神戸

2025年度に最終赤字だった18クラブを、当期純損失の大きい順に並べました。1位はヴィッセル神戸の7億3,400万円、2位は名古屋グランパスの6億7,500万円で、この2クラブだけが5億円を超えています。18クラブの赤字を足すと、計算では33億4,600万円になります。

順位 クラブ カテゴリー 当期純利益 営業利益 売上高 純資産
1 ヴィッセル神戸 J1 −7億3,400万円 −1,600万円 87億1,100万円 6億8,000万円
2 名古屋グランパス J1 −6億7,500万円 −6億4,200万円 64億6,300万円 1億2,100万円
3 ザスパ群馬 J3 −3億700万円 −3億1,600万円 7億7,900万円 1,600万円
4 FC琉球 J3 −2億7,900万円 −2億7,200万円 7億5,000万円 2億6,300万円
5 徳島ヴォルティス J2 −2億5,700万円 −2億7,300万円 21億8,800万円 12億500万円
6 横浜FC J1 −2億1,200万円 −2億5,100万円 33億300万円 1億1,500万円
7 福島ユナイテッドFC J3 −1億9,900万円 −1億9,100万円 6億円 1億500万円
8 鹿島アントラーズ J1 −1億5,200万円 −1億2,800万円 81億7,300万円 14億1,700万円
9 ベガルタ仙台 J2 −1億4,800万円 −1億3,600万円 24億6,500万円 2億3,500万円
10 浦和レッズ J1 −1億円 −2億2,200万円 113億1,000万円 18億2,100万円
11 ヴァンフォーレ甲府 J2 −6,900万円 −5,700万円 17億700万円 2億4,800万円
12 栃木SC J3 −6,500万円 −8,900万円 10億4,600万円 1億1,000万円
12 FC岐阜 J3 −6,500万円 −6,600万円 9億9,700万円 6,500万円
14 AC長野パルセイロ J3 −5,400万円 −5,200万円 8億5,000万円 600万円
15 テゲバジャーロ宮崎 J3 −1,700万円 −4,400万円 7億6,100万円 3,000万円
16 大分トリニータ J2 −800万円 −1,100万円 17億6,900万円 1億9,900万円
17 栃木シティ J3 −400万円 −4,000万円 5億6,400万円 1,400万円
18 鹿児島ユナイテッドFC J3 −100万円 600万円 11億900万円 1億9,100万円

出典:Jリーグ「2025年度クラブ決算一覧」(2026年7月24日現在)をもとに Human Soar 作成。カテゴリーは2025シーズンの所属。純資産は2025年度末の資本(純資産)の部の合計

J1では、売上高が大きいクラブも並んでいます。浦和レッズは売上高113億1,000万円でJ1で最も大きいクラブですが、当期純利益は−1億円でした。鹿島アントラーズも売上高81億7,300万円に対して−1億5,200万円です。売上の大きさと、利益が残るかどうかは別の話だと分かります。

表の純資産の列にも目を向けてください。徳島ヴォルティスは2億5,700万円の赤字でも純資産が12億500万円あります。一方、AC長野パルセイロは赤字5,400万円に対して純資産が600万円です。同じ赤字でも、資本の余力には大きな差があります。このほか川崎フロンターレは、12か月の決算とは別に2026年2月〜3月の2か月分(2026年3月期)が一覧に載っていて、その期間は当期純利益−9,800万円でした。12か月分(2026年1月期)は4億3,100万円の黒字です。

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(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Q. Jリーグで赤字額が最も大きいクラブはどこですか?

2025年度の当期純損失が最も大きかったのはヴィッセル神戸の7億3,400万円で、名古屋グランパスの6億7,500万円が続きます。本業のもうけを示す営業利益で見ると、最も大きな赤字はV・ファーレン長崎の18億2,100万円です。

J1・J2・J3の全クラブの損益と純資産の一覧(2025年度)

2025シーズンにJリーグに所属した60クラブの、2025年度の売上高・営業利益・当期純利益・純資産をカテゴリー別にまとめました。各カテゴリーの中は、当期純利益の小さい順(赤字の大きい順)です。6月決算の6クラブは、Jリーグの一覧に追加されると数字が分かります。

クラブ カテゴリー 決算期 売上高 営業利益 当期純利益 純資産
ヴィッセル神戸 J1 2025年12月期 87億1,100万円 −1,600万円 −7億3,400万円 6億8,000万円
名古屋グランパス J1 2026年1月期 64億6,300万円 −6億4,200万円 −6億7,500万円 1億2,100万円
横浜FC J1 2026年1月期 33億300万円 −2億5,100万円 −2億1,200万円 1億1,500万円
鹿島アントラーズ J1 2026年1月期 81億7,300万円 −1億2,800万円 −1億5,200万円 14億1,700万円
浦和レッズ J1 2026年1月期 113億1,000万円 −2億2,200万円 −1億円 18億2,100万円
横浜F・マリノス J1 2026年1月期 77億5,100万円 2億8,700万円 300万円 9,800万円
FC町田ゼルビア J1 2026年1月期 69億1,400万円 1,900万円 900万円 11億9,200万円
セレッソ大阪 J1 2026年1月期 57億2,000万円 1億3,900万円 3,000万円 7億8,500万円
清水エスパルス J1 2026年1月期 53億5,300万円 3,600万円 3,400万円 2億2,300万円
東京ヴェルディ J1 2026年1月期 45億1,000万円 9,800万円 4,500万円 9,600万円
FC東京 J1 2026年1月期 72億1,000万円 8,300万円 8,200万円 23億6,500万円
ファジアーノ岡山 J1 2025年6月期(5か月) 19億800万円 1億5,800万円 9,700万円 3億5,700万円
ガンバ大阪 J1 2026年1月期 88億1,700万円 2億400万円 1億4,000万円 9億1,700万円
アビスパ福岡 J1 2026年1月期 37億4,000万円 3億5,200万円 1億5,400万円 7,600万円
京都サンガF.C. J1 2025年12月期 44億3,500万円 2億9,400万円 2億500万円 9億8,900万円
アルビレックス新潟 J1 2026年1月期 45億1,400万円 4億5,300万円 2億7,600万円 19億4,800万円
柏レイソル J1 2026年3月期 47億1,100万円 4億7,800万円 3億3,300万円 10億100万円
サンフレッチェ広島 J1 2026年1月期 83億4,800万円 4億3,500万円 4億1,300万円 22億1,900万円
川崎フロンターレ J1 2026年1月期 100億6,900万円 4億9,900万円 4億3,100万円 24億3,300万円
湘南ベルマーレ J1 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —
徳島ヴォルティス J2 2026年1月期 21億8,800万円 −2億7,300万円 −2億5,700万円 12億500万円
ベガルタ仙台 J2 2026年1月期 24億6,500万円 −1億3,600万円 −1億4,800万円 2億3,500万円
ヴァンフォーレ甲府 J2 2026年1月期 17億700万円 −5,700万円 −6,900万円 2億4,800万円
大分トリニータ J2 2026年1月期 17億6,900万円 −1,100万円 −800万円 1億9,900万円
レノファ山口FC J2 2026年1月期 13億8,500万円 −1,700万円 100万円 2億4,100万円
いわきFC J2 2025年12月期 15億円 800万円 700万円 8,300万円
V・ファーレン長崎 J2 2025年12月期 33億3,100万円 −18億2,100万円 700万円 3,300万円
ブラウブリッツ秋田 J2 2026年1月期 12億4,600万円 −1,800万円 1,100万円 2,400万円
愛媛FC J2 2025年12月期 12億6,700万円 700万円 1,100万円 3億2,000万円
水戸ホーリーホック J2 2026年1月期 16億4,200万円 300万円 1,200万円 1億8,500万円
藤枝MYFC J2 2026年1月期 11億1,800万円 900万円 1,600万円 1億4,100万円
カターレ富山 J2 2026年1月期 13億9,600万円 5,200万円 4,400万円 9,200万円
ジェフユナイテッド千葉 J2 2026年1月期 39億2,700万円 1億1,600万円 8,900万円 4億8,700万円
FC今治 J2 2026年1月期 20億400万円 8,900万円 1億1,700万円 25億6,300万円
ロアッソ熊本 J2 2026年1月期 12億5,200万円 1億8,800万円 1億2,200万円 4億1,900万円
サガン鳥栖 J2 2026年1月期 27億2,900万円 1億3,100万円 1億3,400万円 1億6,300万円
モンテディオ山形 J2 2026年1月期 31億5,400万円 2億1,000万円 1億4,400万円 3億6,600万円
RB大宮アルディージャ J2 2026年1月期 45億9,700万円 3億6,500万円 3億3,200万円 5億600万円
ジュビロ磐田 J2 2026年1月期 56億6,800万円 5億8,100万円 5億2,400万円 14億200万円
北海道コンサドーレ札幌 J2 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —
ザスパ群馬 J3 2026年1月期 7億7,900万円 −3億1,600万円 −3億700万円 1,600万円
FC琉球 J3 2026年1月期 7億5,000万円 −2億7,200万円 −2億7,900万円 2億6,300万円
福島ユナイテッドFC J3 2026年1月期 6億円 −1億9,100万円 −1億9,900万円 1億500万円
栃木SC J3 2026年1月期 10億4,600万円 −8,900万円 −6,500万円 1億1,000万円
FC岐阜 J3 2026年1月期 9億9,700万円 −6,600万円 −6,500万円 6,500万円
AC長野パルセイロ J3 2025年12月期 8億5,000万円 −5,200万円 −5,400万円 600万円
テゲバジャーロ宮崎 J3 2026年1月期 7億6,100万円 −4,400万円 −1,700万円 3,000万円
栃木シティ J3 2026年1月期 5億6,400万円 −4,000万円 −400万円 1,400万円
鹿児島ユナイテッドFC J3 2026年1月期 11億900万円 600万円 −100万円 1億9,100万円
ツエーゲン金沢 J3 2026年1月期 12億4,000万円 800万円 0円 5,600万円
ヴァンラーレ八戸 J3 2026年1月期 5億7,500万円 −2,500万円 100万円 5,700万円
FC大阪 J3 2026年1月期 6億7,400万円 0円 100万円 2億500万円
奈良クラブ J3 2026年1月期 5億700万円 0円 400万円 1,000万円
松本山雅FC J3 2026年1月期 15億600万円 1,900万円 900万円 3億6,300万円
アスルクラロ沼津 J3 2026年1月期 6億1,700万円 1,900万円 900万円 5,100万円
SC相模原 J3 2026年1月期 15億3,100万円 5億1,900万円 5億1,300万円 2,500万円
ガイナーレ鳥取 J3 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —
カマタマーレ讃岐 J3 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —
高知ユナイテッドSC J3 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —
ギラヴァンツ北九州 J3 2026年6月期 6月決算のため未掲載 — — —

出典:Jリーグ「2025年度クラブ決算一覧」(2026年7月24日現在)をもとに Human Soar 作成。カテゴリーは2025シーズンの所属。ファジアーノ岡山は2025年2月〜6月の5か月決算。川崎フロンターレは12か月の2026年1月期で、2026年2月〜3月の2か月分(営業利益−1億5,600万円、当期純利益−9,800万円)は別に掲載されている

営業利益は、売上高から売上原価と販売費・一般管理費を引いた本業のもうけです。当期純利益は、そこに本業以外の収益・費用や一時的な利益・損失、税金を足し引きした最後の利益です。純資産は資産から負債を引いた残りで、これがマイナスの状態を債務超過と呼びます。2025年度は、一覧に載った54クラブすべての純資産がプラスでした。

ファジアーノ岡山は決算期の変更で5か月分の決算になっていて、12か月のクラブとはそのまま比べられません。Jリーグの開示資料によると、シーズン移行に合わせて多くのクラブが6月決算へ移る途中にあります。日程の変わり方は秋春制とシーズン移行の記事で整理しています。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2025年度クラブ経営情報開示資料(2026年5月26日、7月24日更新) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Jリーグのクラブが赤字になる理由を決算の3つの型で見る

Jリーグの2025年度決算で、営業利益と当期純利益がそれぞれ赤字か黒字かでクラブを4つに分けた図。最終赤字の多くは本業でも赤字

赤字の理由を、決算の数字で言える範囲で見てみます。営業利益(本業)と当期純利益(最後の利益)がそれぞれ赤字か黒字かで54クラブを分けると、どちらも赤字が17、どちらも黒字(ゼロを含む)が32、本業は黒字で最終赤字が1、本業は赤字で最終黒字が4でした。最終赤字の18クラブは、次の3つの型に分かれます。クラブの収入と費用の全体像はプロスポーツクラブの収益構造で解説しています。

本業でも最後の利益でも赤字のクラブが17ある

最終赤字の18クラブのうち17クラブは、営業利益の段階ですでに赤字でした。つまり、売上高で売上原価と販売費・一般管理費をまかなえていません。この17クラブを営業赤字の大きい順に見ると、名古屋グランパスの6億4,200万円、ザスパ群馬の3億1,600万円、徳島ヴォルティスの2億7,300万円が上位です。

この型の中でもヴィッセル神戸は少し違います。営業利益は−1,600万円と小さな赤字でしたが、営業外費用が30億7,600万円あり、経常利益は−30億3,700万円になりました。特別利益23億円が入ったものの、当期純利益は−7億3,400万円です。決算一覧には費用の中身までは書かれていないため、内訳はクラブの発表で確かめる必要があります。

本業の費用の中で最も大きいのはトップチームの人件費です。クラブ別の額と売上高に占める割合は、人件費ランキングの記事にまとめています。

あわせて読みたいJリーグの人件費ランキング2025|1位は浦和の32.7億円›

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

営業利益は黒字でも最終赤字になったクラブは1つ

本業は黒字なのに最終赤字になったのは、鹿児島ユナイテッドFCだけでした。営業利益は600万円の黒字でしたが、営業外費用600万円や税金などを引いた結果、当期純利益は−100万円になっています。赤字の額は100万円で、本業は黒字を保っています。

このように、最終赤字という同じ言葉でも、本業で出た赤字と、本業以外の項目で出た赤字は分けて見る必要があります。赤字の額だけでなく、どの段階で赤字になったかを決算一覧で確かめると、クラブの状態をより正確に読めます。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

本業の赤字を特別利益で埋めて最終黒字にしたクラブもある

逆の型もあります。V・ファーレン長崎は2025年度の営業利益が−18億2,100万円でJリーグで最も大きな赤字でしたが、特別利益が19億6,000万円あり、当期純利益は700万円の黒字でした。2024年度も営業利益−12億2,500万円に対して特別利益12億円、2023年度も営業利益−14億6,300万円に対して特別利益14億7,000万円と、3年続けて同じ形です。

このほかブラウブリッツ秋田、レノファ山口FC、ヴァンラーレ八戸の3クラブは、営業利益は小さな赤字でしたが、営業外収益がそれを上回り、最終黒字になりました。当期純利益だけを見ると黒字のクラブにも、本業では赤字のところがあるということです。最終赤字のクラブだけを数えていると、この点を見落とします。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2024年度クラブ決算一覧(2025年7月29日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2023年度クラブ決算一覧(2024年7月30日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Q. Jリーグのクラブはなぜ赤字になるのですか?

決算の数字で見ると、2025年度に最終赤字だった18クラブのうち17クラブは、本業の営業利益の段階ですでに赤字でした。営業利益は黒字でも最終赤字になったのは1クラブだけです。赤字の背景はクラブごとに違うため、各クラブの発表で確かめる必要があります。

3期連続の赤字は6クラブ|債務超過は2025年度にゼロ

2023年度から2025年度まで3期続けて当期純損失だったクラブは6つです。カテゴリーが変わったクラブも、同じクラブとして3年分を並べました。6つのうち4つは3年ともJ3にいたクラブです。

クラブ 2023年度 2024年度 2025年度 2025年度末の純資産
ザスパ群馬 −2,700万円(J2) −9,700万円(J2) −3億700万円(J3) 1,600万円
FC琉球 −3億8,600万円(J3) −3億4,200万円(J3) −2億7,900万円(J3) 2億6,300万円
横浜FC −3億4,400万円(J1) −1億100万円(J2) −2億1,200万円(J1) 1億1,500万円
福島ユナイテッドFC −9,500万円(J3) −1億6,000万円(J3) −1億9,900万円(J3) 1億500万円
AC長野パルセイロ −9,800万円(J3) −1億2,000万円(J3) −5,400万円(J3) 600万円
テゲバジャーロ宮崎 −1億6,300万円(J3) −3,800万円(J3) −1,700万円(J3) 3,000万円

出典:Jリーグ「クラブ決算一覧」2023年度・2024年度・2025年度をもとに Human Soar 作成。金額は当期純利益、かっこ内はその年度の所属カテゴリー。2025年度に一覧へ載っていない6月決算の6クラブは対象外

赤字の幅が縮んでいるクラブもあります。テゲバジャーロ宮崎は−1億6,300万円から−1,700万円へ、AC長野パルセイロは−1億2,000万円から−5,400万円へ小さくなりました。反対にザスパ群馬は−2,700万円、−9,700万円、−3億700万円と広がっています。

債務超過のクラブは、2023年度は横浜FC(−1億7,200万円)、アビスパ福岡(−3億9,900万円)、サガン鳥栖(−1億5,800万円)、東京ヴェルディ(−4億8,300万円)、Y.S.C.C.横浜(−8,300万円)、SC相模原(−5億2,000万円)、ガイナーレ鳥取(−3億400万円)の7クラブでした。2024年度はアビスパ福岡(−2億7,200万円)、Y.S.C.C.横浜(−8,300万円)、SC相模原(−4億8,900万円)、ガイナーレ鳥取(−3億200万円)の4クラブに減り、2025年度は一覧に載ったクラブではゼロになっています。ただしガイナーレ鳥取は6月決算のため、2025年度の数字はまだ載っていません。

債務超過の解消は、増資か利益で純資産をプラスに戻すことで行われます。たとえばアビスパ福岡は、福岡市議会に提出された資料によると、2025年1月期末の純資産が約2億7,200万円のマイナスでしたが、2026年1月期に約1億9,400万円の増資と約1億5,400万円の当期純利益で、期末の純資産を約7,600万円のプラスにしました。

Jリーグのクラブライセンスでは、3期以上続けて当期純損失を出したときと、債務超過のときに、必須の財務基準を満たさないと定めています。ただし期末の純資産が、その期の赤字の額を上回っていれば、3期連続の赤字には当たらないとされています。さらに現在はシーズン移行に伴う特例で、2026年の特別シーズンと2026/27シーズンに関わる決算では、どちらも判定の対象になりません。運用細則では、3期連続の赤字は2027年7月1日以降に終わる事業年度を1期目として数え始め、債務超過も同じ日以降に終わる事業年度から判定するとしています。前の期から債務超過が続いていて、その額が増えていなければ当たらないとする扱いもあります。つまり表の6クラブの3期連続は、いまのライセンスの判定には使われません。基準と制裁の全体はクラブライセンスの記事で解説しています。

(参考)J1・J2クラブライセンス交付規則運用細則(2026年7月1日改正) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)J3クラブライセンス交付規則(2026年7月1日改正) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2026/27 シーズンに向けクラブライセンス制度を改定(2025年9月18日) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)アビスパ福岡株式会社について(令和8年6月) – 福岡市議会

Q. Jリーグのクラブは赤字や債務超過が続くとどうなりますか?

3期以上続けて当期純損失を出したときや、債務超過のときは、クラブライセンスの必須の財務基準を満たさないと定められています。ただし現在はシーズン移行に伴う特例で判定の対象外で、3期連続の赤字は2027年7月1日以降に終わる事業年度から数え直します。

企業がクラブの決算を確かめる4つの点

企業がJリーグのクラブの決算を確かめるときに、営業利益・純資産・3期の推移・決算期の4つの数字から何が分かり、何を確かめるかを対応させた図

協賛や取引の相手として、クラブの決算を確かめる場面は少なくありません。赤字かどうかの一言で判断せず、決算一覧のどこを見るかを次の4つに分けておくと、相手の状態を落ち着いて読めます。

営業利益で本業の収支を見る

最初に見るのは当期純利益ではなく営業利益です。2025年度は、最終黒字なのに本業は赤字というクラブが4つありました。協賛金は本業の収入として入るお金なので、本業の収支がどうなっているかは、協賛先の経営を知るうえで最も大事な数字です。

営業赤字の場合は、売上高と費用のどちらが動いたのかを前年度と比べます。決算一覧には収入と費用の内訳が載っているので、スポンサー収入や入場料収入が伸びているか、人件費が増えていないかを確かめられます。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

純資産で赤字に耐える力を見る

次に、貸借対照表の純資産を見ます。純資産は、これまでの出資と利益の積み重ねで、赤字が出たときにそれを受け止める余力です。2025年度の赤字のクラブでも、鹿島アントラーズの純資産は14億1,700万円、栃木シティは1,400万円と、厚みには大きな差があります。

Jリーグの開示資料は、債務超過を解消する方法として、資本金を増やす増資と、当期純利益を出して利益剰余金のマイナスを消すことの2つを挙げています。純資産が薄いクラブでは、増資の予定や株主の構成がどうなっているかも、あわせて確かめておくと安心です。

クラブの運営会社が株式会社であれば、会社法第440条により、定時株主総会の後に貸借対照表を公告することが決められています。決算一覧の数字に加えて、運営会社の決算公告を見ておくと、純資産の内訳まで確かめられます。

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2025年度クラブ経営情報開示資料(2026年5月26日、7月24日更新) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)会社法(平成十七年法律第八十六号) – e-Gov法令検索(デジタル庁)

3期の推移で一時的な赤字かを見る

1年分の赤字だけでは、一時的なものか続いているものかが分かりません。3年分の決算一覧を並べると、鹿島アントラーズは2023年度に−3億1,100万円、2024年度に700万円、2025年度に−1億5,200万円と、赤字と黒字を行き来しています。一方で上の表の6クラブは3年続けて赤字です。

Jリーグは年度ごとの決算一覧を公式サイトで公開しているので、気になるクラブは過去の年度までさかのぼって確かめられます。複数年の契約を考えるときほど、この推移を見ておく意味があります。来場者の数がどう動いているかも、あわせて見ておくと判断の材料が増えます。

あわせて読みたいJリーグの観客動員数|2025年チーム別平均と企業の見方›

(参考)2025年度クラブ決算一覧(2026年7月24日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2024年度クラブ決算一覧(2025年7月29日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2023年度クラブ決算一覧(2024年7月30日現在) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

決算期の月数をそろえて比べる

最後に、決算期の月数を確かめます。2025年度の一覧では、ファジアーノ岡山が5か月の決算、川崎フロンターレが12か月分とは別に2か月分の決算を載せています。月数の違う決算をそのまま比べると、赤字や黒字の大きさを読み違えます。

Jリーグの開示資料によると、シーズン移行に伴ってクラブの決算期の変更が進んでいて、2026年は決算期間がクラブごとに異なるため決算一覧の公表にとどめ、2027年以降は全クラブの情報を毎年10月に開示する予定です。これからしばらくは、比べる前に決算期と月数を確かめることが欠かせません。

(参考)2025年度クラブ経営情報開示資料(2026年5月26日、7月24日更新) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

Jリーグの赤字クラブのまとめ

Jリーグの赤字のクラブは減ってきていますが、赤字の中身はクラブによって違います。スポーツ業界全体の課題は日本スポーツ業界の課題で整理しています。出典は本文の各セクションに記載しています。この記事の要点を振り返ります。

  • 2025年度の決算が出た54クラブのうち最終赤字は18で、2023年度の26、2024年度の23から減った
  • 最終赤字が最も大きいのはヴィッセル神戸の7億3,400万円、営業赤字が最も大きいのはV・ファーレン長崎の18億2,100万円
  • 最終赤字の18クラブのうち17クラブは本業でも赤字。最終黒字でも本業が赤字のクラブが4ある
  • 3期連続の赤字は6クラブ、債務超過は2025年度にゼロ。ライセンスの判定は特例で当面外れている
  • 企業は営業利益、純資産、3期の推移、決算期の月数の4つで決算を確かめる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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